Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

ドジョウ汚染

民主党が実質的に政権与党の態を為してないことはもはや誰の目にも明らかになってきたが、若手議員の離党騒ぎが大きくなれば立ち往生してしまうことも確実である。
鳩山・菅という希代の無能総理の後に、それよりはマシであろうと就いた野田総理ではあったが、現状においては世間が満足できる動きをしてないようだ。現実には就任後数ヶ月で目に見える成果を出せるかと言えば容易ではないのだが、問題は難問に立ち向かう姿勢に大きな偏りがあることだろう。

現政権が立ち向かわなければならない問題は山ほど存在する。
税制改革はもとより、景気対策、緊迫する外交問題、欧州金融危機への対処、円高対策、年金問題、、、そして、公務員給与削減などなど。
マスコミはきちんと検証して欲しいのだが、政権交代を成し遂げたときに民主党が掲げていた公約が一体何であって、現状どれだけが反故にされてきたのかを考えてみれば、正確な情報など知らなくても実質的に何一つ成し遂げていないのはわかろうものである。これは、野田政権の問題ではなく民主党政権としての問題ではあるが、三代目の総理に対しても評価としてこれまでの2年間がのしかかるのは当然のことである。

今回の総理交代への期待は、過剰かもしれないがここ2代の無能力総理にが貶めた信用をV字型に取り戻すことではなかっただろうか。その期待が高すぎると知っていたからこそ「ドジョウ」を例に支持率の急激な上昇は期待できないと煙幕を張っていたのであろう。
ただ現状を見る限り、前2代の無能総理と比べて悪い面を出さないようにしたのみであって、国民が実行力があると信頼できるような行動は何一つ見えていない。唯一不退転なのが「増税」である。増税マニフェストにおいて否定してきたものであり、これまでも増税の前に解散総選挙を行うとしてきていたものを、言葉の遊びで増税法案通過後に解散などと常識で考えてもおかしなことを言い出している。

これが、公務員給与削減やその他の改革を大きく打ち出して実行する姿勢を出していたならば、少なくとも増税に寛容な国民はもう少し増えたであろうが、他の改革はみな先送りでは理解が得られるはずもない。本来、今はまだ震災復興に関する問題が政治においては主要な問題でなければならないと思うのだが、今ではほとんど聞こえてこない。
私としては仮に改革をしたとしても現状での増税は間違っていると考えるが、それでも身を切る努力自体は評価しなくはない。ただ、結果的には今回の予算案が全てを物語っていると言えるだろう。前2代と何も変わっていないのだ。

ドジョウは、じっくりと泥の中で策を練っていきたかったのかもしれないが、世の中は既に2年近い無駄な時を過ごしてきたことを忘れてはいない。その2年を早く取り戻してほしいのに、実質的には全く変わってないことに失望しているのである。ただ、この2年間に蓄えたマイナスを解消してほしいだけなのに、マイナスのまま現状維持だなんて。。。と。
そうならざるを得ないのは、民主党議員が個人個人の政治能力が非常に低いことに加えて、党としてのまとめ能力のなさまで加わっていることがある。要するに政権を担当するだけの力がなかったということに過ぎない。
マスコミは、これをもって民主党自民党化などと書くが、自民党の方がずっとマシである。同じと評価する理由が私にはわからない。

今の日本は様々な面で危機的な状況にある。緊急時である。緊急時のトップは大胆な行動を次々と打ち出して、社会を引っ張っていかなければならない。でなければ、外部からの不安要素がどんどんと広がってしまうのだ。ドジョウのように土の中に隠れてやり過ごせばいいというものではない。
民主党の政治家達は口ではいくらでも強がりを言うが、都合が悪くなれば黙りを決め込む。もちろんそれは大部分の政治家がそうであるが、その程度が酷い。その黙りの間にも危機は進行しているのに。そして、危機の第一が政府の財政問題などであるはずがない。国には、紙幣を発行する権限がある。国の借金は、円で支払う限りにおいてインフレさえ畏れなければいつでも返せるのである。

さて、民主党ではドジョウが指揮を執る泥船からわらわらと逃げ出しはじめた。
ただ、はっきりと言えることはある。逃げ出した議員も、基本的には同じ穴の狢である。

「ちょっと待て、その無所属は民主かも。」