Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

次のバブルはどこか?

 第二次ITバブルと私は呼称しているが、現在の株式市場が歴史的な高値になるのは今更言うまでもない(Shen on Twitter: "ドットコムバブルの時と今のフォワードPERランキング… ")。もちろん2000年のITバブルと比べて届いていない指標(Shen on Twitter: "Nasdaq 100のPER… "Shen on Twitter: "米国の50mm USD以上の倒産件数。確かに過去最高ではないわな… ")もあり、過熱感はまだまだという考え方もできる。逆にITバブル期を超えている指標も当然数多く存在する(jeroen blokland on Twitter: "Margin debt...… ")。実際、バブルがはじけるきっかけは誰にも予想できるものではない。それでも、バブル期に生じるいくつかの事例は今の相場においても見て取れる。一つはボロ株(赤字で成長の見込みもない企業の株式)がマネーゲームにより上昇(レディット上に新たな熱狂銘柄、株価1000%近く上昇-無名の石油会社 - Bloomberg)すること(ファンダメンタルズを無視すれば市場崩壊の恐れ - WSJ)であり、もう一つは相場に参加している個人の多くがレバレッジをかけ、熱狂する状況である。

 有り余る資金は未だ健在のためバブルの熱は容易には抜けないが、直近で株式投資冷や水をかけたのが個人投資家たちとは正直予想外だった。ロビンフッターたちによるズルい機関投資家への挑戦状は、見事にいくつかのヘッジファンドに大きなダメージを与えた(Losses on short positions in U.S. firms top $70 billion - Ortex data | Reuters)。その結果として倒産(解散)するヘッジファンドもあるだろう。同時に、加熱するネットを通じた株式取引は、サイトのダウンや遅延という形(​​​​​​​Retail Brokerages Suffer Another 'Coordinated' Outage As Short-Squeeze Surge Spreads | ZeroHedge)で取引環境の脆弱さを露呈している。また、マネーゲームを取り締まるという意味でSECその他の当局による規制論議James DePorre on Twitter: "ROBINHOOD PLACING FREEZES AND SEIZING CAPITAL ON ACCOUNTS THEY SUSPECT OF MARKET MANIPULATION PER SEC ORDER")も高まるだろう(GME Soars 75% After-Hours, Erases Losses After Liquidity-Constrained Robinhood Lifts Trading Ban | ZeroHedge)。どちらにしても、ボロ株相場は徐々に縮小していくことになると予想している。元々、赤字企業の株価が跳ね上がるのはマネーゲーム以外の何者でもないのだから。株取引に対する強い規制が議論されるほどに株式投資熱は冷え込むことになるが、その次に来る問題は溢れている資金の受け皿である。これまでは債券投資が株式の受け皿になってきたが、歴史的な低金利によりその資格をかなり失った。さて、路頭に迷う巨大資金はどこに向かうことになるのだろうか。

 

 これはあくまで個人的な予想であるが、その大部分は一旦現金化されるか債券に向かうと思う。低金利ではあっても、株式市場の祭りが終了したとの認識が高まるほどに、避難先として検討される。問題は、少しでも高い金利を求めてジャンク債に多くの資金が向かうことではないだろうか。その際には、コモディティ市場(エネルギー、金属、食糧等)にも資金が向かうことになるだろう。あるいは仮想通貨の更なる暴騰も考えられる(T.Kamada on Twitter: "株の買い規制で、資金はビットコインへ向かうという意見が出ています。ビットコインは現在6.27%の上昇です。… ")。資金規模(日本株はバブルなのか?株式市場より大きな債券市場の状況を俯瞰すると答えは自ずと見えてくる(ダイヤモンド・ザイ) - Yahoo!ニュース)からすると

          債権市場>株式市場>コモディティ市場

なので、ロビンフッターたちの暗躍と同じように、コモディティのどこかに資金が集中すれば容易にバブル化する。既に、売り玉の溜まっている銀を購入しよう(Max Keiser on Twitter: "Documented/proven, banks can print fake silver sell orders (the physical market $2 billion, the ‘paper’ mkt $70 bn) )という動きが始まっている(Bloomberg on Twitter: "Reddit investors have discovered silver: Spot prices soared as much as 6.8%, the biggest jump since August https://t.co/D0hsb7l6iH":ただし、小さな企業の株と違い現実的には踏み上げは容易でない)。

 

 ただ、多くの場合バブルは予想もしていなかったところで花開く。個人的には、規制が厳しくなりそうなアメリカ市場を離れて、新興国の株式や債券に飛び火するのではないかと考えているが、あくまで想像に過ぎない。それが不動産やハイイールド債の市場を崩壊させてもおかしくはない。こうした巨大資金が自由気ままに荒らしまわった後には健全な市場が残らず、疲弊した残滓だけが残ることになるのかもしれない。何にしても、ボラティリティの高い状態が半年から1年近く続くような気がする。