Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

うまくサボる技術

概念的には新しいものではないのだが、ノーマリー・オフ・コンピューターという概念がある。
要するに、処理が忙しいときにはきちんと働き、軽い処理の時には大部分を休ませてしまう。結果的に大きな省電力を行うという考え方である。

これは、おおざっぱな面では現状の技術に取り込まれている。
例えば、長時間使用しないパソコンは、自動的に省電力モードになるよう設定できるし、自動車でも最近はアイドリングオフ機能なども用いられるようになってきた。
しかし、その間隔はおおざっぱでトータルとしての省エネ高率は必ずしも高くない。次の起動に備えて準備しているため、処理がない時間も常に一定の動きを続けているというのが現状である。

ノーマリー・オフ・コンピューターは、その短い処理の軽微な時間帯もその処理量に応じて機能を休ませようというものだ。
概念的にはよく理解できる。しかし、それを実現させることは容易ではない。なぜならば、必要なときに必要な機能が即座に動けるのかという問題があるからだ。

いざ使おうと思えば、処理がなかなか進まない。それでは意味がない。
コンピューターの世界でまずこの概念の実践が進もうとしているのは、電子的な仕組みのため再スタートのための時間を短くできることがあるだろう。機械的な仕組みであれば、そう容易ではない。

しかしこうした機械や電子デバイスの仕組みも、基本的には人間が使用する。だから、人間の反応速度に合えば問題はない。そして、その結果として非常に大きな省エネルギーを実現できるかもしれない。

待機エネルギー消費を最小にしていく。無駄なエネルギーを使わない技術と言うことである。必要なときに必要なだけ最低限のエネルギー消費で済ます。そう考えれば、おそらく人間社会で使用しているエネルギーは半減くらいまで抑えられるのではないかと思う(あくまで想像であり根拠はない)。

家庭内で考えても、テレビやビデオは人が見ていないときには省エネモードが発動する。電灯なども同様。家庭での削減はしれているかもしれないが、産業界でそれが実現すればかなりの効率化が図れる。

脱原発での問題も大きく叫ばれている。しかし、単純に節電しろと言っても現状のシステムのままでは限界があるだろう。
仮に、上述のような究極的に無駄が省けるシステムが出来上がれば、、、

エネルギー政策は、原則としては豊富なエネルギーを安く安定して供給できることが最重要である。
しかし、次善の方法としては使用量を減らしても問題なくすること。あくまでそれは使用上の制限を加えるものであってはならない。今までと同じように使いながら、実質的にはエネルギー使用量が減っていく。

技術の世界でも、上手くサボる技術が今後求められていくのではないだろうか。

「適当は、手抜きではなく柔軟性である。」