Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

アメリカ大統領選挙雑感

 あまりに混沌としていたためあえて大きくは触れてこなかったが、アメリカ大統領選挙アメリカをどの様な方向に導くかという異なる勢力による内戦状態になっている。一つは大多数のメディアや新興勢力たる企業群を中心とした意識高い系のエスタブリッシュメントと呼ばれる人たちであり、もう一方にトランプ大統領を支持するような古き良きアメリカを求める人たちである。前者が勃興し後者が衰退中であるが、まだ多くの人たちは後者のグループに属する。従来、民主党は後者(特に労働者)の支持を得ていたが、今ではその支持が共和党にかなりシフトしている。これ以外に、少し前にアメリカ政治を握っていたネオコン新自由主義)の存在もあるが、この関係性は主義主張の対立からお互いの存在を否定し合うほどの関係性になりつつある。

 さて、大統領選挙についてはメディアが露骨に民主党(バイデン候補)の応援をしており、世論操作から言論検閲など幅広く自分たちの意見に世論を近づけるための行動を繰り返している(例えばバンドワゴン効果を狙うなど)が、それは必ずしも成功していないようだ。むしろ、露骨すぎるえこひいきが中立層を含めて反感を買う方向に作用しているようにも見える。投票結果に過誤があることがいくつかのメディアでも報道されているが、メディアはそれを取り上げず、また州の公式な投票結果以前に自分たちの調査をもとに当落を喧伝した。これは、そのような社会的な認識を固めることでトランプ大統領側に負けを認めさせようとする戦略であろう。

 

 実際に、現状公表されている投票結果が覆るかどうかはわからない。可能性で言えば覆らない方が高い確率だと思う。だが、日本では考えられないようなずさんな選挙が行われていることは間違いなく白日の下にさらされた(日本でも選挙の不正は一定数あると思うが)。特に、戸籍がないことによる投票資格の適格性確認が十分機能していない事実は、今回の投票結果がどちらに決まるかは別にして修正されなければならないだろう(米大統領選でやはり「不正」があったかもしれない、ちょっとした状況証拠 | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン)。また、ドミニオンという投票集計ソフトに関する疑義も広がっている(【速報!】(不正票ソフト)ドミニオンが全米で270万票のトランプ票を削除したことが判明!! | Total News World)。もちろん、その疑義に関する明確な根拠はまだ提示されていない。問題がないという報道も散見する(トランプ氏の疑念にもかかわらず投票ソフトウェアに対する懸念は杞憂に終わる(TechCrunch Japan) - Yahoo!ニュース)。現状、どちらの情報が正しいかを確認する方法はない。だから、私としては様子見である。

 だが、投票数の異常なまでの増加(米国の選択:2020年大統領選 重要課題、票に直結 米社会の分断鮮明 米主要メディア調査分析 - 毎日新聞)については個人的にある程度の疑問を抱かざるをえないでもいる。トランプ大統領が史上最多の票を得ており、バイデン候補がさらに多くの票を得ている。本当にそれほどまでに投票率が高まったのだろうかという素直な疑問である。さらに言えば、議会選挙では共和党が上院で過半数を占めるであろうことに加え、下院でも議席数をかなり伸ばす見込みである。知事選でも共和党側が勝っている。すなわち、大統領選挙のみが他の投票と比べて逆転している状況なのだ。

 

 陰謀論や飛び交う根拠不明の些細な情報に流されるつもりはないが、大きな視点で見たときに今回の大統領選挙は少し違和感がある。ただ、それが少なくとも現時点で大規模な不正があったという証拠によるものではない。

 逆に考えれば、もしこれが大規模な不正投票(あるいは国外からの選挙介入)により結果が左右されていたとすれば、どちらが勝ったにしてもアメリカの威信は大きく傷つけられる(既に毀損していると言ってよい)。場合によっては、今後に大きく尾を引く大規模な混乱となるだろう。それを喜ぶのは言うまでもなく中国とロシアである。これは妄想に過ぎないが、私が中国政府首脳であり選挙に密かに介入していたとすれば、不正の情報を流すことでアメリカ政治を収拾のつかない混乱に陥れられるとほくそ笑むかもしれない。どちらかが明確に差をつけて当選すことにより国が結束するのではなく、むしろ政治的・思想信条的な対立が広がっていく方が望ましい。繰り返すが、これは真実でも何でもない私の妄想である。

 Antifaに中国が資金提供をしていたという情報もある。実際、CNNなどは日本人から考えるとどう見ても暴動としか言えないものを「平和的なデモである」などと無茶苦茶な論理で言い訳している。トランプの予測不能な行動も面倒ではあるが、そのようなこじつけを報道機関が行っていることの方がずっと個人的には恐ろしい。トランプ大統領のパーソナリティを支持するつもりはないが、それ以上にポリコレ的な強制力を持つ社会が見せる未来の方が怖いのだ。

 

 さて、どのような決着が待っているかは予想が難しいのは多くの人も言っているであろう。トランプ大統領が負けを認めるのか、再集計で明確な結果が示されるのか、更には逆転劇があるのか、下院の投票という歴史的な決着になるのか。だが、アメリカ社会に打ち込まれた分断という楔は非常にやっかいでネガティブなものであろう。