Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

テロあるいは偶発的事案

 日本が韓国をホワイト国から外すことを正式に閣議決定韓国の「ホワイト国」除外を閣議決定 パブリックコメントは4万件超で95%が賛成 - ITmedia NEWS)し、それに対して韓国大統領が強い言葉で宣戦布告的な切り返し(文大統領「もう日本に負けない」「日本は大きな被害を甘受しなければならない」-Chosun online 朝鮮日報)を行った。ちなみに言えば、韓国も日本をホワイト国から対抗措置として外すとし、その上でWTOに提訴するとしている(韓国 「ホワイト国」から日本除外へ=WTO提訴準備も(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース)。日本が韓国をホワイト国から外すことを理由にWTOに提訴するとしながら、自分たちも日本をホワイト国から外すというよくわからない論理構成ではあるが、逆に言えばそれ以外には具体的方策を持っていないということでもある。

 あと、韓国政府内ではGSOMIAの破棄も検討(韓国 ホワイト国対応カード GSOMIA破棄や東京五輪などか - ライブドアニュース日本は朝鮮半島の和平構築を阻害、軍事情報協定見直しへ=韓国高官 - ロイター)されているようだが、アメリカから強くくぎを刺されているので実際には破棄できないとみている。とりあえず、それくらいしか日本に対抗できないでいるのだ。あと、シンガポールや中国からはホワイト国を削減するのではなく、増やすべきだという意見(「ホワイト国」除外 第三国が異例の批判=ASEAN外相会議(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース)を出しているが、ホワイト国ではない国からすればちょうど良いタイミングで要求できるチャンスが生まれたという意味以上には何もない。韓国を外したことが問題ではなく、自分たちも優遇しろという意見である。中国はアメリカとの関係で無理としても、シンガポールであればきちんとした制度と体制をくみ上げることができれば不可能な話ではない。

 

 さて、文大統領は精神論以外に打ている有効な手がない。とすれば、現在は日本に向いている反日感情が、自分たち政権に向かい始めるのを眺めるわけにはいかない。すなわち、日本にダメージを与えたという何かを演じ続けなければならない。それを第三国や国際機関を利用して演出するのを現在やっているが、もっとも大きな影響力を及ぼせるアメリカが少なくとも現状では日本側に立っているのは理解しているだろう。

 今回の問題は、韓国のずさんな戦略物資管理体制が発端である。逆に言えば、日本は輸出制限しているのではなく、あくまでその証明がなされれば輸出するとしている。それができない状態に陥っている一番の原因は韓国にある。だが、現状でその方向に動けないということは、韓国自身が自分たちの弱点(ずさんな管理体制)を理解しているからに他ならない。問題はそこをつかれると自分たちに不利であるため、問題の焦点を誤魔化すためにむやみやたらと恫喝を続けているのである。

 

 そこで危惧されるのが、政府が直接手を出すわけではないが、義憤の韓国人が行うテロ行為である。あるいは、軍人が偶発的な行為をするというのもあろう。それが起こらなければ越したことはないが、以前も靖国神社で爆発物を仕掛けた韓国人がいたように、日本に対する攻撃は愛国無罪で許されるという雰囲気がある。この感覚が韓国社会で共有されている限りにおいて、韓国内の不満は政権には容易に移行しない。

 すなわち、表立って行われることはないが、国民の抱く不満をそらすために日本において、あるいは日本人に対してテロ的な行為を働く危険性が大きく高まっていることがある。もちろん政府がそれを推奨などできやしないが、それを忖度した個人が行動を起こし、その被害をもって日本のメディアが政策の変更を促すということは起こってもおかしくない。

 さらには、そんなトラブルにおいて日本人から韓国人が被害を受けたという報道がなされれば、一気に韓国国内の雰囲気は反日に流れるであろう。私が危惧するのはその点である。

 

 そんなトラブルがあったとしても、日本政府としては何のやましい点もない。だが、少なくとも文大統領の支持率はさがらないでいられる。さらには、そうした事象に嫌気のさす人が増えるとともに、日本の姿勢に疑問を呈するケースも増加するだろう。

 韓国にできるのは、こうした厭戦気分を演出すること、あるいは日本の跳ね返りを誘導することではないかと思う。こうした挑発には乗らないように気を付けてもらいたいと思う。結果的に、韓国が得意とするレベルの低い泥仕合に引きずり込まれてしまうのだから。

 

 これは私の勝手な懸念であるが、韓国政府の打てる手はそれくらいしかなく、また時間をかけている余裕もない。日本が離れていくことが決定的になった今、世界の資本は韓国という国から逃避を始めていくのだから。