Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

村社会韓国と承認欲求

 反日活動は、「ボイコットジャパン」という個人レベルには留まれず、各種公共団体の交流イベントにまで飛び火(韓国釜山市が行政交流中断 「日本と関係改善まで」 | 共同通信)している。正直、韓国との交流に突出し過ぎている感じもあり本当に必要かもわからないようなイベントも多かったので、これにより多少は正常化するのではないかと考えたりもする。ただ、政治と民間交流は別である(文大統領「経済交流と政治は別」日韓企業は友好的であるべきと主張 - ライブドアニュース)とさんざん言っていたのが韓国側なので、正体が見えたというのが正直なところである。結局、都合の良い時に都合の良いことを言っていただけであるということが、多くの日本人にも改めて見えて来たのではないかと思う。

 

 熱しやすく冷めやすいと称される韓国人の特性であるが、それ以上に大きなのが日本以上に社会的同質性が強要される状況である。反日に否定的な態度を取れば、「土着倭寇韓国で反日の新造語、「土着倭寇」で日本叩き 若者の間で盛り上がっていた日本ブームにも冷水浴びせる(1/5) | JBpress(Japan Business Press))」といったレッテルが貼られ多くのバッシングを受けると共に、時には社会的に抹殺されてしまうことすらある。日本人からすれば良くわからない罪により謝罪させられ、罰金や投獄がなされ、大学教授ですら職を失う。元大統領ですらこの流れからは逃げられない。これは一種の村的な慣習でありルールである。

 それは以前から言われているように、国民感情が法律の上位概念として存在するというもの。ただ、その国民感情が正確に国民の意見により形成されているとすればまだましだが、一部の活動家(しかも国家的支援を受けて)がけん引する流れに乗らないと、自分の社会的立場が危うくなるのだから悩ましい。すなわち、自己保身のためには流れに乗らなければならない。

 

 また、韓国人の自国における承認欲求意識がこうした行動に拍車をかける。アメリカなどでのいわゆる慰安婦像建立は、現地韓国人社会が深くかかわっている。その背後では中国が援助している等の情報は聞かれるが、どしらにしても祖国に対するアピールをしなければ彼らの心が満たされないのは間違いないだろう。もちろん、日本に対する「自分たちを認めてしい」という承認欲求も同様に高い。小学生男子が好きな女の子に意地悪しているのと同じ状況が想起されるが、そのせいで迷惑を被る女子生徒側からすればたまったものではない。

 

 私は韓国という国家、あるいは韓国人の最大の問題は相手側の論理(今は日本の考え方やその論理構成)に対する理解度が非常に低いことにあると考えている。韓国におけるメディアの報道等を見ても、自分たちの見たい・聞きたい意見が当たり前の様に溢れている。冷静な分析がほとんど見られない。

 昔の話であるが、よく韓国人は「日本人は歴史を知らない」と言っていた。確かにかつては日韓関係など興味が無かったので知らなかった日本人は多い。しかし、現在ではうっとおしい韓国人のおかげで、韓国人よりも両者の間にある歴史問題についてずっと良く知っている。一部には根拠のない扇動に振り回される人もいるが、歴史的事実や根拠に基づきまっとうに理解している人も多い。むしろ韓国の方が、歴史的事実など無視しておかしな根拠に基づく主張を行っている。それが「恨」という感情に引き起こされているという分析もあろうが、そんな話は国内のみに留めてほしい。

 

 これは、日本と韓国の文化的における根本的な違いに起因している。韓国では、自分たちが正しと考えたこと(根拠が無くとも)を貫くためには、その過程はどのようなものでも(嘘を吐こうが、時には犯罪的であっても)よいという社会なのである。一方の日本は、嘘を吐いたりすれば仮に自分の主張が公平的に見て正しくても、その行動自体で否定されてしまう国である。

 この両者間の文化的断絶は決して小さくない。両国の距離が離れている(例えば経済的あるいは時間的)時には気にならないかもしれないが、それが近づけば近づくほどに、交われば交わるほどに大きな問題となる。これ以外にもいろいろと文化的な認識の違いがある。それが両国の間に大きな諍いを生んでいる根本原因であろう。それを最も認識していないのが、両国のメディアである。自分たちの常識で相手国を見続け、評価し続けているのだから、上手く行くはずなどない。

 

 あと、韓国の若者は高齢者層と異なり比較的親日的であるという話は以前書いた。ただ、同時に長年続けられている反日教育(彼らは決して認めないが)はこれまた確実に若者たちの心理に根を下ろしている。今回の日本側の措置を受けて、最も熱心にボイコットをしているのは若者たちである。この心理は、おそらく「自分たちは決して日本が嫌いではないのに、裏切られた」といった感じであろうか。ここでも、日本のことをきちんと見ていない状況が垣間見える。

 実際には経済情勢の悪さがある為、その不満に向けどころに反日活動は丁度良いという安易な逃げ道であることも影響している。政府に不満が再び向かうことも今後は考えられるだろう。ただ、反抗しない日本というイメージは全ての韓国人に強く刷り込まれてしまった。その最大の責任は日本の外務省にあると思うが、だからこそ、今回の措置では日本は決して引けないし、引いてはならない。

 

 私は韓国の専門家でもなんでもないが、少し状況を眺めていればこの程度のことは容易に想像できる。結局は、日本も変わり(韓国に厳しい態度を見せる)韓国も変わらなければならない(自分勝手は通用しないと知る)。それだけのことなのだ。朝日新聞などが使う同じ言葉とは内容が違うだろうが。