Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

韓国観

 世の中には知韓派・親韓派と目される人が数多くいるが、その中にも大きく分けて2つの種類があるように感じている。どちらも、韓国人のメンタリティに許容的ではあるものの態度として異なる面を持つ。
 ・擁護派:日韓議員連盟、朝日・毎日新聞等のメディア、韓流を流布する芸能人、等
 ・忠告派:黒田勝弘氏(産経新聞特任記者)、豊田有恒氏(作家)、等
 前者はどちらかと言えば自己の経済的・言論的利益のために擁護しているようにも見えるが、おそらく私の思い込みが過ぎためにそう感じられるのだろう。どこの国においても良い面も悪い面も存在し、その見え方すら良し悪しで言えば切り口により大きく変わる。私は、韓国政府やメディアが行っている日本に対するヘイト(むしろ民族・文化差別と言っても良い)については大いに憤慨しているが、韓国の国民そのものにはそれほど悲観していない。

 ただ、前者の人たちは韓国の成長を好意的に受け止めてか、「日本人が韓国に負けたと感じている」や「韓国に振り向いてもらえないことに嫉妬している」といった意見を言う人が多い(http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2014/11/24/0400000000AJP20141124002900882.HTML)。一時期は日経新聞なども韓国を見習えと散々煽っていたが、今でそのような記事は一切見なくなりむしろ問題点ばかりが叫ばれている。そんなに簡単に消えて悪化する程度の経営スタイルだったのなら真似なくて良かったということであろう(実際には良い面は学べばよいと私も思うが)。ちなみに、こうした声ばかりが韓国に届くから(選択して取り上げているのだと思うが)韓国世論も大いに勘違いしているという面もあろう。
 一方で、後者は私が見る限り韓国に深い愛情を注いでいる人々だと思うが、韓国からの反応は必ずしも芳しくない(特に黒田氏の意見はよく「妄言」とメディアに論われている)。でありながら、それでも韓国メディアが何かにつけ黒田氏に意見を聞きに行っているのも事実であり、耳の痛い言葉を煙たがるのは誰しも同じと言うことかもしれない。ただ、できることなら韓国メディアはレッテル張りに終始せず、よき忠告派の人たちの言葉をもう少し大切に扱っても良いのではないか(豊田氏は一時期かなりご立腹だったようだが今はどうなのだろう?)。
 おそらく、前者の人は日経新聞のように自らのビジネスに使えなくなれば離れていくと私は思うのだが。

 これまで書いてきたことの繰り返しになるが、韓国人と言っても個々で出会えば良い人も悪い人もおり、これはまた日本と変わるものでも無い。中国でも似た傾向があり、現代の日本のことを知らない人ほど日本を敵視し蔑視する。日本は日本で結局同じで、ヘイトに勤しむ人はこれまたおそらく韓国で生の韓国人と接した経験がほとんどないのではないだろうか(もし嫌な思いをしていたとすれば申し訳ない)。
 私自身、子供のころに在日朝鮮人や韓国人がいる地区は怖いという話を聞いたこともあったし、実際「カツアゲ」を喰らったこともある(その時はうまく切り抜けたが)。でも、他方で帰化して日本人として普通に暮らしていた人も知っており、正直下手な日本人よりも日本人らしかったことも知っている。
 文化や伝統における違いがありお互いに分かり合えない部分があるのは間違いないが、それを無くそうとするのではなく違いを許容した上で付き合うのが大人の関係であろう。そもそも同じ人間同士、全てを本音で語れば多くの場合は争いになる。それが素晴らしいと言えるのは、せいぜい小学生くらいまでではないか。
 あたかも学級会の如き仲の良さを押し付ける人たちも気持ち悪いが、他方で食わず嫌いをこじらせて毛虫のように嫌い反発に終始するというのも大人げない。ヘイト活動は精神的ないじめであり、その行動自体はどのような理屈を言おうとも建前上容認するつもりはない。

 さて、少し前になるが前述の黒田氏が記したこのような記事を読んだ。
日本人の嫌韓感情は「剥奪感」が原因?ちょっと待って欲しい、それは韓国への過大評価だ(http://www.news-postseven.com/archives/20141107_285061.html
 私は黒田氏の記事内容にはいつも興味を持って見ているが、今回も当り前の内容が当たり前ではなくなっている現状を窺い知ることができた。そもそも日本人の大部分は韓国人が思うほどに韓国のことを経済的脅威とは思っていないし、日々の記事などを見ていても「韓国の独り相撲だな」と感じることは非常に多い。他方、日本の一部で言われることは昔からそうであって今突然韓国が変わったわけでもない。日本人が知るようになった(気づいた)と言うことに過ぎない。
 そのむしろ滑稽とも言える独り相撲に向かって真顔でクレームをつけ続けるのも疲れる話である。他方で、世界中で繰り広げられている日本人に対するヘイト活動については、逆にもっと真剣に取り組まなければならないともどかしい思いも持つ。
 嫌韓本に多く取り上げられるような韓国の独善的な振る舞いよりも、日本という国家並びに日本人という民族をターゲットにした活動は、はっきり言って人種差別に該当すると考えている。だからこそ、逆に揚げ足を取られないように些末な(とは言えど憤慨する)内容に特定差別的な行動はすべきではない。しかも、それが多くの日本人が意識していると見られるべきではない。サムソンの裁判手法で、相手から訴訟を受ければどのような難癖的なものであっても反訴するというスタイルをよく見るが、同じようなことを持って相対化されてしまうであろう。

 私は、国家としての韓国に対してそこまでの親しみを持っていないので、別に日本として価値がなければ付き合いを減らしてよいと思う(一部の極論のように関係を絶てと言うつもりはない)。日本企業も、基本的には儲からなければ韓国に拘ることはない。逆に言えば、いろいろとあるにしても儲かる(と判断した)から進出しているのだから、これについても自己責任と言っても良いだろう。
 ただ、個人的な付き合いがある韓国人の知り合いに全く悪い感情は持っていない。一部も全部もそれに拘ることに意味はない。違いがあるのであれば違うと言えばよいし、無理に相手のいう事を聞く必要もない。ただ、重要なポイントを間違えずに抑えた上で相対することが必要であるのも忘れてはならないであろう。