Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

くだらない都知事選

 出馬している面子もくだらないが、争点が更にくだらない。まあ、私は都民ではないので生暖かく見守るのみではあるが、今までよりも相当に興味の湧き立たないというか、当選してほしいと思う立候補者がいない選挙となる感じである。
 当初、私は自民党小池百合子氏を担ぎ出すと予想していた。最初のうちメディアにおける候補者リストには含まれていたと思うが、いつの間にかフェードアウトしたみたいだ。他にも何人かの女性候補の名前は上がっていたが、いずれも候補としては力不足であり実現性はないと見ていた。名前が消えたのは小池氏本人が都知事選への出馬を断ったのではないかと思う。
 東国原氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%9B%BD%E5%8E%9F%E8%8B%B1%E5%A4%AB)は、選挙の賑やかしとしては意味があっても選択肢としては最初から除外(実際、立候補はしなかったがこのあたりの気だけは読めるようである)、弁護士の宇都宮氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E9%83%BD%E5%AE%AE%E5%81%A5%E5%85%90)も決して本命にはなれないが左派の立候補者の票を割る攪乱要因。ドクター中松氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%BE%E7%BE%A9%E9%83%8E)は毎度の登場だし、そういえば衆議院選にいつも立候補する又吉イエス氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%88%E5%90%89%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%B9)は毎回都知事選には興味がないようだ。

 ということで、まだ立候補は締め切られてはいないものの実質的には舛添要一氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9B%E6%B7%BB%E8%A6%81%E4%B8%80)とまさかの細川護熙元総理(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E8%AD%B7%E7%86%99)の決戦となりそうである。ぶっちゃけ言えば、どちらを支持するつもりもないので東京におけるお祭りを眺めている気分でいる。
 両者の人物像も気に入らないが、さらに言えば争点がもっと気に入らない。多くの人も既にふれているように都知事選で即時脱原発が主な争点になる理由がわからない。私は以前から書いているように原発を徐々にフェードアウトさせることについては世論の後押しがあるなら行っても良いが、それまでの間は稼働させるべきだと考えている。もちろん脱原発を主張する人たちの意思は尊重するし、議論はいくらでもあっても良いと思う。
 問題は、これを東京都が主張したとしてもせいぜい東京電力原発再稼働を止める程度の力しかないことである。もちろん、こうした意見が全国に広がることで世論を盛り上げようという考えもわからなくはないが、都知事選におけるメインの論点ではないし仮にそうであれば論点があまりにもおかしすぎる。
 そもそも細川氏はかつて佐川献金問題における追求を免れるべく総理を突如退陣し、今回同じく献金問題で辞任した猪瀬知事の後釜を狙うというのだから笑い話ではないか。同じように自民党を除名になった舛添氏が自民党都議団の支援を受ける。ちなみに民主党細川氏を支援するらしい(http://www.asahi.com/articles/ASG195RLBG19UTIL03G.html)。細川氏にとってはありがためいわくではないだろうか?

 なぜこんなことが起きたのかについて考えを巡らせてみる。まず、最も大きな点は今回の都知事選がそもそも争点不在の選挙なのだ。猪瀬知事の突然の辞任により口火が切られたものの、既にオリンピック開催は決まっており政策的な対立点があまり目立たない。もちろん、現実には政治的な課題はまだまだ山のようにあるのだろうが、これまでのオリンピックという山があまりにも大きすぎてのその余韻が小さな問題点を覆い隠している。
 本来であれば、こうした時にこそ新たな問題点を発掘して投げかけるべきなのだろうが、立候補者たちは全てこれまでの都政を詳しく見てきた者たちではない。結果的に争点は現状の都政と全く関係ないところに移動していく。行政の継続性という意味ではそれの方が都民にとっては良いのかもしれない。脱原発などは基本的に現状の都政に大きな影響を与える論点ではなく(電気代は既に上がり続けているのだから)、落下傘的な知事が着任してもそれ以外はこれまで通り進められる。脱官僚の流れ(それが全て良いとは思わないが)は本来霞が関のみの話ではないはずだが、官僚を使いこなせるほどの力もなさそうなのでマスコミが煽るほどには変化のない選挙と見る。

 細川氏は勝てないと見ているが、万が一勝ったとしてもそれは脱原発の声の力でも民主党の支持の力でもなく、小泉元総理の人気によるかさ上げと見るべきであろう。ちなみに、今の小泉元総理にマスコミが持ち上げるほどの昔のような力はない。
 だからと言って、舛添氏にもほとんど期待できないのでお飾りとして適当に頑張ってもらえればいいかなと思う。今回は、候補者はそこそこいるが実質的には誰が当選しても大して変わらないという意味で(政策的には)無風選挙だと思う。

(追記)
 田母神氏を飛ばしていたが、私は彼の政策にも期待していないので単に忘れていただけ。保守的な言論において悪くない部分も多少はあるが、だからと言って政策を任せられるような能力があるとはとてもではないが思えない。