Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

学級会のような外交

 「隣国同士は仲良くしなければならない。」さて、これは前提条件として真たりうるのであろうか?実を言えば、これに類する言葉はマスコミが日本と中国や韓国の間が冷え込むとよく出てくるものだ(http://mainichi.jp/feature/maisho/news/20130629kei00s00s003000c.htmlhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130701-00000015-rcdc-cnhttp://mainichi.jp/opinion/news/20130702k0000m070121000c.html)。「仲良くした」方が自国にとって有利かどうかでこの問題は決まる。もちろん両者ともが仲良くしたいと考えているのであれば、いがみ合う理由はどこにもない。ただし、一方的に仲良くしようとしても相手がそのように出ない場合には、この問いかけは前提条件そのものが誤りであることになる。

 近隣諸国との友好は、すなわち自国の安寧を築き上げるための手段であって目的ではない。現実、現在の日本は中国や韓国とは首脳会談を行えない状況にあるが(これも日本側は門戸を開いている)、それ以外の何十と言う国々と平和や貿易に関する緊密な会談や協議を続けている。さて、日本は近隣諸国と友好関係を築けていないのだろうか。
 私とて、中国や韓国と友好的な状態が続くことは望ましいと思う。ただし、それは日本全体の国益を阻害しない範囲で行うべきことでしかない。日本の権益を大きく毀損してまで友好を前面に押し立てる必然性はない。結局のところ、国家の目的は国民の生活を豊かにすることである。その中には平和を希求することも含まれるが、それが唯一の条件ではない。
 あくまで仮の話ではあるが、中国が現在のアメリカを凌ぐ巨大な軍事国家となり日本に抗いきれない脅威を与えるようになったとき、一つの方法としては中国に遜るという選択肢もあろう。それがその時点で最も適切な国家繁栄の方法であるとすれば、選択肢の一つであることは間違いない。ただし、こうした条件下では尖閣諸島どころか沖縄も割譲を迫られることになるだろうし、それを中国が行わない理由は存在しない。

 韓国がなぜ日本には歴史問題を持ち出すのに、中国には持ち出さないのかと言う記事が出ていた(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130629-00000543-san-kr)。有体に言えば、中国にいくらそれを主張しても無駄だと思うからであり、日本に言うのは藩王があられると考えられているからである。この構図は何かに似ている。そう、いじめである。
 いじめる者たちは最初のきっかけは些細な事かもしれないが、抵抗しないとなれば行為はどんどんとエスカレートしていく。友好に付き合おうなどと話しかけても状況が改善されることなどないのは、誰もが知っているではないか。一旦いじめの構図が出来上がると、いじめる側はその状況を維持しようと最大限の努力を行う。
 一時的に抵抗した場合、ほとんどのケースで行為はエスカレートする。「生意気だ」という訳である。いやはや今の日本と韓国や中国の関係と似てはいなだろうか。この悪しき循環を断つためには、徹底して抵抗し続けることしかない。もう、いじめと言う行為を許容しないのだと明確な態度で挑むことが必要になる。さらに言えば、中国のように文句を言っても無駄だ(それ以上の反撃が返ってくる)と思わせなければ、現状の流れを断ち切ることなどできないであろう。

 少なくとも、学校における学級会はいじめを撲滅する力など持ちえない。建前では良いことなどいくらでもいえる。しかし、そんなものに効果はないし、中国や韓国の(国家としての)認識を変えることもあり得ない。もちろん、相互交流を通して国民同士の理解が深まるのは悪いことではない。
 ただ、国家が反日教育を行うことの方が不利だと考えるようにならない限り、現状は融和に働くよりは激化の一途をたどるだけだろう。彼らにとっては、日本を封じ込めることが自らにとってのメリットなのである。そこに妥協は存在しえない。
 できることなら、メディアや一部の識者が主張する学級会のような甘っちょろい外交論議こそが、韓国や中国の反日に大きなエネルギーとなっていることを認識すべきであろう。