Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

中国軍は弱い!?

世界第二位のGDPを誇り、GDPの成長率も翳りが見えつつあるものの7%近くの増加を維持し、軍備は毎年10%以上の伸びで増加させ空母まで導入するなど、ここ数十年で大きな富を得た中国は帝国主義的な態度を隠そうともしなくなった。
その圧力は決して軽視できるものでは無いし、軍事のみならず政治・経済的な圧力も含めて、東南アジアの国々はかなり苦汁を飲まされている。日本も尖閣問題など国内を上げての議論となり、その対応に右往左往していると言えるだろう。その露骨な態度は、韓国の竹島問題などとは比べものにならないほど日本の保守派を勢いづけ、おそらく彼らは望まない形の日本世論を形作っている原因となっている。
軍事専門家は、海上戦では現時点では日本が有利だが10年後には力が逆転するであろう事も公然と語られる。中国の人民解放軍としては、現時点でも負けているという評価は許し難いのか威勢の良い言葉が飛び出している。

しかし、同時に中国では指導者層が子弟を海外に非難させ多くの隠し財産も海外などに置いているとされる。丁度、温家宝の隠し財産問題がニュース(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121027-OYT1T00691.htm?from=blist)となっているが、別に温家宝に限る話ではない。軍高官も共産党幹部も皆そうしているのだ。
軍事費の大きな伸びは確かに脅威ではあるが、その一部は常に私腹を肥やすために流用されてきたのは間違いない。だからこそ、これほど大きな財産が築けたとしか言えないではないか。
彼らにとって、軍も政治も財産を築くための方法でしかない。おそらく、中国という国を守るよりは自分たちの財産を守ろうという気持ちの方が強いであろう。今強気で発言しているのは、そんな自分たちの姿を隠すため以外にはあり得ない。
仮に軍のトップがそんな姿勢であったとして、果たして軍事力は継続的に行使し続けられるのか。おそらく、有利である間はイケイケドンドンで嵩にかかるであろうが、ひとたび状況が膠着したり劣勢になれば逃げ出すものが少なくないのではないか。

もちろん、これは日本の場合もどれだけ違うかを明らかにすることはできない。建前の愛国心と本音の愛国心を見極められなければその差異を明らかにすることができないためである。ただ、私がいくつかの報道を見て思うことは、東日本大震災でひたむきに人命救助や遺体確保などを行った自衛隊と比べて、我慢強さという面で比較できるほど強くないのではないかと思うのだ。
だからこそ、口で脅す。経済で脅す。嫌がらせで脅す。
見かけの図体は間違いなく大きい。だから力を結集することができれば中国はおそらく今でも世界最強である。問題は、それが維持できないのではないかと思うのだ。それは人民としてのメンタリティの問題でもある。
別に日本人がメンタリティ的に優れていると言いたい訳ではない。彼らの我慢弱く手や口の早い行動形式は、先制としての勢いは出せても長期間の維持に耐えられないのではないかと思うのである。
何も日本が戦争を挑めと言うのではない。ただ、おそらく中国軍は弱い。それは装備や軍の人数どうこうではない。戦争は基本的に数の勝負である。数や性能に勝れば戦略を間違わない限り負けることはなく、逆にそれが不利であればどんなに精神主義を唱えても負ける。ガチンコでやればそうなる。すなわち、中国は本来強いはずである。
しかし、中国はガチンコでの戦争ができないのではないかと感じるのだ。

まあ、これはあくまで私の感じる印象論でしかない。そもそも私の日本が戦争などして欲しくはないし、そもそも相手方が攻めてきた時にまともに対応できるかどうかも怪しくもある。ただ、それでも彼らの今行っている恫喝は、恫喝としてしか効果がないのであろうということを日本人はしっかり認識しておいた方が良いと思う。