Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

サバイバル対策

さいとうたかをのサバイバルという漫画が書き始められたのは昭和51年であり、西暦で言えば1976年すなわち今から36年前のことになる。巨大な地震津波によって日本が壊滅的な状態になった中で、少年が如何に生きていくかを書いたものだ。
別に、今後巨大地震が発生して日本が壊滅的な被害を受けると言いたいわけではない。ただ日頃から備えは必要だろうし、それは地震や噴火被害や原発戦争以外にも考えられることがある。それは巨大な世界的不況による生産設備の崩壊だ。こちらは建物が崩壊してライフラインが使えないというわけではないものの、社会崩壊の影響もバカにすることはできない。

現在の日本とは社会情勢が異なるのは確かではあるが、ギリシャは混迷に突入しかけている。EUIMFからの緊縮財政の提示に反発を見せているのである。これが悪い選択肢なのかと言えば、ギリシャのみについて言えばユーロに留まろうが、ユーロから抜け出そうがどちらにしても茨の道しかない。
ただ、同じ茨の道であるならば自主性を持った茨の道の方がまだマシかもしれないと思う程度だ。そして、EU等の要求に従わないというのは自主性を重んじる方向での茨の道を歩み始めていることでもある。
問題はギリシャ単独のデフォルトではない。その影響が南欧、すなわちポルトガルからスペインへと広がり始めた時にEUは実質的に瓦解する。経済的混乱が一体どんな世界を生み出すかを予想することは難しいが、既に世界のお金持ち達は資金を現物資産に替えつつあるとも言われている。具体的に言えば芸術資産や貴金属宝飾品などである。オークションの世界では不景気に関わらず過去最高値が頻発しているのだ。もちろん金余りという現実もあるが、それよりも危機に対する備えだと考える方がしっくりと来る。
混乱が戦争を呼ぶこともあるかも知れないし、大恐慌のような厳しい時代を呼ぶかも知れない。戦争や大恐慌が来ても、最初の内は何とかなるだろうという楽観論が広がるだろう。しかし、もしそうなるようなことがあれば楽観論など何の役にも立たない。いや、確かにこの考えは悲観的すぎるだろうが、それでも何らかの混乱を覚悟しておくのが必ずしも悪いわけではないと思う。

だとすれば一体何を準備しておけばいいのだろうか。そこで文明都市におけるサバイバルの準備について考えてみたい。
一番は食糧である。日本の場合、実を言うと飲み水はなんだかんだと入手が可能だ。経済的な危機では公共セクタがストップするようなケースは相当に状況が悪化した場合だし、降雨や湧き水などの利用も田舎に行けば可能になる。
一方で、ガソリンなどのエネルギーや食糧についてはなかなか難しくなる。日本の真の意味での食糧自給率がいくらかはわからないが、国民の腹を満たすだけ無いのは間違いない。これらが問題となるのは世界的な貿易環境がストップするというケースになる。輸入品が日本に届かなくなると考えればよい。
あとは、衣料品なども問題となるかも知れないが、世界の貿易が何年も止まるとは現時点では想像しにくいので、仮に1〜2年を想定してみることとする。そうだとすれば手持ちの服でも対応はできるだろう。日本が戦争に巻き込まれればどうしようもないが、それがなければ世界的な混乱が治まるのを待てばよい。

こう考えてみると、必要なものは家族が当面生活できる食糧だと言うことになる。薬などもできればあった方が良いかもしれない。あとは、ガスコンロがあればたいていの料理はできる。
野菜などは国産でも需要を満たせる可能性も高く、米にしてもそうである(ただし、肥料がそこまで保たない)。もっとも世界的なパニックが生じれば、国内の運送も滞るだろうから容易に入手はできないと考えた方が良いかもしれない。

さて、保存のために備蓄しておく食糧としては何がよいか。
実は最も備蓄に向いているのはスパゲッティだと思う。ただし、湯がくために大量の水が必要なので水が確保できるという前提での話である。正直なところ水が確保できないのであれば備蓄用のビスケットなどに頼らざるを得ないであろう。
さて、乾燥スパゲッティの賞味期限は通常2〜3年である。具としてはレトルトパックの具もあるが、こちらの賞味期限は1年程度だ。理由は油を多く使う食品は劣化が速いことによる。レトルトカレーなら2年ほどの期限で可能だし、保存状況さえ良ければ3年程度でも食事には利用できるのではないかと思う。・・・これもあくまで保存状態が良好であるとの前提付きで、高温の場所に置いておれば劣化は速くなるだろう。
上記の乾燥スパゲッティは、保存状態さえ良ければ5年くらいは保存可能かも知れない(あくまで保存状態に依存する)。安いところでは500g(3〜5食分)で100円程度で買えるものもあるのでコストパフォーマンスも悪くない。ちなみに、円高の今は欧州からの輸入スパゲッティもかなり安く買える。
スパゲッティと比較すると乾燥うどんやそばの賞味期限は短い。米も玄米のままであれば1年くらいは大丈夫であろうが、精米されていると半年程度が良いところだと思う。カップラーメンなどは油を使っているので実のところ賞味期限は半年程度であって備蓄食料としては向いていない。
乾パンなどは1年が賞味期限であり、ビスケットなどはもう少し長い。チョコレートも賞味期限はおよそ1年のようである。

あと保存が利くものとしては缶詰がある。こちらも内容物により賞味期限は大きく変わるが、おおよそ2〜4年程度となっている。油分の含有量が少ないほどに長くなる傾向があるのではないかと思う。主な缶詰としては、魚を煮たもの(鯖、サンマなど)、魚のフレーク(まぐろ、かつおなど)、シーチキン系、魚の蒲焼き系(サンマ、ニシン、鯖など)鶏のささみ系、焼き鳥缶詰系、などは比較的安い金額で売られている。量はいろいろとあるだろうが、スーパーマーケットなどでは100〜200円/個というところだ。あるいは焼き肉ものや野菜、卵などのものもある。
加えて、果物系の缶詰も豊富である。みかん、桃、パイナップルが主なところであるが、他にも変わったものもたまに見かけることができる。

防災備蓄食料として専用で売られているものは、正直言ってかなり高い。おいそれと買えるようなものでもない。お金があれば買っても良いと思うが、結局無駄にするのであれば普段から食べられるものの方が良いと思う。

さて、家族4人が1日2食として8食分。これを半年カバーするとすれば、180×8=1440食分。あくまで試算としてこれを全てスパゲッティで賄うとして(当然、恐慌時でも全く食料が手に入らないわけではないのでその補完と考える)500gで4食をカバーするとすれば、1440/4=360袋が必要となる。360×0.5kg=180kgと馬鹿にならない重量だが箱に詰めれば、引っ越し用の段ボール箱(小さい方)で7〜8個の量である。

あと、エネルギーとしてはカセットコンロとボンベは役立つだろう。スーパーなどでは3缶で400〜500円程度で売られている。1缶当たり連続使用で1〜1.5時間のようである。料理に30分かかるとすれば1日1缶。180缶は結構な量かも知れない。もし持っておくとすれば、この保存は少々厄介かもしれない。外で料理するならたき火が使えるかも知れないが。
水については、5年間保存水なども比較的安価に売られている。ただ、水は保存するにしても相当に場所を取るのでなかなか難題となる。


ここまで、あくまで雑談として考えた見ただけである。しかし、もし何か良いアイデアがあれば教えていただけるとありがたい。