Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

虫を食べるという選択

現代日本人にとっては、一部地域を除きあまり虫を食べるという習慣は残っていない。
伝統的に蜂の子やイナゴの佃煮などがあるものの、それも観光用的に出されている例が多いように思う。
とは言え、世界的には今でも昆虫は食糧の一つではある。
wiki 昆虫食(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%86%E8%99%AB%E9%A3%9F
見直される「昆虫食」:http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000163_all.html
日本では長野県が最も事例が多い。おそらくは山がちで作物が育ちにくかった環境も影響しているのであろう。

では、なぜ日本人は虫を食べなくなったのか。
それは単純に虫よりも容易かつ効率的に栄養分を得られる食糧を手にしてるからであろう。
もちろん、そこには味を含めての話も含まれる。
もう7〜8年前になるか、韓国に会議で出張したときの宴会でも虫のさなぎを炒ったものがつまみとして出されていた。
かつて中国を旅行したときには、蛇やオオサンショウウオ(らしきもの)を食した私ではあるが、虫はかつて田舎で主広半分に食べたイナゴの佃煮程度。韓国でのそれは未知のものだった。
好奇心はかなりあったのも事実であるが、食べようと箸を伸ばしてもその姿が虫のサナギであることがはっきりわかると急に食欲が湧かなくなり、今思えば残念なことをしたと思うのだが、その時には食べられなかった。
おそらくは蚕のサナギ(ポンデギ:http://www.ko-2.net/mini/post-178.html)ではないかと思うのだが、写真を見て私に勇気がなかったことを信じてもらえるであろうか。韓国ではおやつとして食されているそうである。

さて、なぜ虫を食べないのかは、虫よりもうまい食糧が安く容易に手に入るというのがあるが、同時に虫は小さいため多くの人間の腹を満たすには不足するというのもある。かつてはゴキブリを食べていたという話も残されており、ほとんどの虫は現実には食べることができる。
沖縄では蟬を食すし、日本でも同好会的なグループはいくつかあるようだ。
「むしくい」http://mushikui.net/

虫ではないが、ミミズも将来的な食糧不足に備えてとその養殖が真剣に研究されているのもこれまた事実である。
ちなみに、日本にマクドナルドが進出したときに、猫の肉とかミミズの肉が用いられているとまことしやかに囁かれたこともあったのだが、企業会計としてはそのような入手困難な(しかもおそらく高い!)ものを使用することなどあり得ない。
さて、昆虫食だが単純に食べられると言うだけではあまりノウがない。
実際の栄養価については、実を言えばかなり高いという話である。
どちらかと言えば高タンパク低カロリーである。
蚕のサナギ3匹が鶏の卵一個に相当するという記述もある。
蜂の子も、ローヤルゼリーで育っていると考えればさもありなん。

最も料理となれば、見た目も重要である。
慣れれば問題にはならないが、慣れないうちにはその姿がわからない方がいいと思う。
ただ、海老や蟹が大丈夫で虫が駄目というのも考え方からすれば奇妙ではある。
蟬の幼虫を唐揚げにすると海老と似た非常に美味であるとの話もある。
愛され続ける世界の10の昆虫食:http://karapaia.livedoor.biz/archives/51457148.html

昆虫食は誰でもできそうではあるが、衛生面からは雑菌を除く必要性は高い。
さて、サバイバルものの漫画などでも虫を食べる記載は少ないのだが、おそらくそのような極限状態に至れば人は動物を狩るよりも虫を食べる方が生存の可能性が高まる。それは捕まえるのが容易であるという点が最も大きい。
仮に世界の食糧危機が何らかの理由で深刻化することがあれば、虫の大量生産プラントを作り上げることで人々の生きる糧を生み出すという可能性がないわけではない。

とは言え、できれば虫料理はその姿を拝まないで出してもらえるとありがたい。

「文化なんて環境が変われば容易に消える。もちろん、その文化に価値を見いださなければである。」