Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

情愛論

ふたりの距離感

人と人の距離感はいつの時代にも難しいものである。距離はアバウトに二人の関係の深さを意味するが、それは時と状況により変化するなんて話は誰もがよく知るところであろう。 距離が離れすぎれば心離れを心配し、距離が近すぎれば束縛を疎んじ、ちょうど良い…

妥協と間伐

恋愛においても結婚においても抱く期待は高けれど、その要求レベルを獲得できる人はそれほど多くはないだろう。もちろん、付き合ったり結婚後に新たな魅力を見付けるケースもあるだろうが、多くの場合には嫌な面、気に入らないことを見付けるものでもある。…

嫉妬

嫉妬ほど理性が似合わない行動もないであろう。怒りも感情的ではあるものの、それさえ理性で操作するイメージは湧く。ところが、嫉妬については完全に理性の適用範囲外に私には思える。更に言うならば、怒りは自分にメリットとなることも少なくないが、嫉妬…

恋愛ノウハウの空疎化

近頃、「○○のための9つのパターン」といったような恋愛関係の記事が大流行である。こうした記事を読むとなるほどごく一般的なことが書かれており、逆に言えば恋愛の当事者ではない人が見た恋愛指南的な内容であることがよくわかる。もっとも、こんなことを…

愛情の強弱

愛情の裏返しは無関心と言うが、愛情に疲れたことから自らをわざと無関心に追い込もうとするケースがいくつかのケースで見られる。もちろん最初のうちは半分以上煩わしさから逃れるために、狙って無関心を装うことでスタートするのであろうが、それが継続す…

囚人のジレンマ

自らの幸せを追い求めることが、結果的に自らの幸せを遠ざけてしまう。よく知られていることではあるものの、その微妙な関係には囚人のジレンマのような切なさを考えさせられてしまう。囚人のジレンマとは、コンピュータを開発したFノイマンなどが数学理論と…

皮相な愛情の流行

DQNネーム(キラキラネーム)の話題は毎年の恒例行事のように登場するが、事の真相は不明ながらもDQNネームの子供の大学進学率が低いという記事をちらっと見かけた。先日もタトゥーについてもエントリを上げたが、そこで家族に対する愛情表現としてのタトゥ…

利己的因子は生き延びる?

自分勝手な人は何処の社会にも存在する。勝手さが度を超せばグループから無視されるなどのいわゆる「痛い目」に遭わされることもあるだろうが、グループの結束が弱かったり少人数だったりすれば、その勝手さは押しの強さとして通用する。ただ、皆が自分勝手…

子離れ、親離れ

子離れのできない親、、、一方で山田昌弘氏が名付けたパラサイトシングルと表されるいつまでも親に頼る子供達。社会には、常識的には許容しがたい状況が意外と普通に存在する。現実に引きこもりを起こしている家庭の多くは比較的裕福な家庭であるという話も…

失恋

失恋の痛みは一人一人、形も深さも様相も異なるものであって、それを総じて話せることなど決してありはしない。ただ、恋を失うと書いて失恋であるが、私達が失恋で失うものは本当な何だろうかということについては少々興味がある。ここでは、付き合いに至る…

遠慮

「遠慮」という言葉が英語では、pass や no thank you になってしまい、なかなか機微が伝わらないというのは文化の違いであろうが、日本的な村社会においてはこの「遠慮」が結構幅を利かせている。態度を控えめにすると言う行動自体が、西洋的にはあまり受け…

馬鹿を装う

「鼻につく」とは自らの行為や立場を自慢げに示す人に対して称する言葉ではあるが、どちらかと言えば実態よりも上に見せようとする行為が他者の癇に障りやすい。逆に言えば、実態よりも低く見せることは他者の侮蔑を招くこともあるかもしれないものの、安心…

心を隠す術

ポーカーフェイスとは、その名の通りポーカーゲームにおいて考えていることを悟られないように繕っている表情のことであるが、普通の人にとっては一時的には実現できたとしても長時間続けるのはなかなか難しい。 しかしながら、私達はしばしば自らの感情や考…

無償の愛

正直言えば、私は「無償の愛」について何かを書くだけの知識も徳も有していないと思う。 自分自身にそれが為せるかどうかは全くもって疑問であるし、そこに至る心理を十分には推し量る自信がない。そうではあるが、伴侶との間あるいは我が子に対してなら、部…

恥じらい

乙女の恥じらいは、男性陣の妄想をかき立てる出来事ではあるが、恥じらいは単純に恥を感じることは少し異なる。 恥じらいは確かに恥ずかしがることではあるが、大いに恥を感じることではない。男性のそれは単なる自意識過剰に近いが、若い女性のそれは社会的…

母性本能と虐待

母性本能が全ての女性に備わっているのかどうかについては、男性の私があまり偉そうなことを言えるものでもないのだが、母性本能的な心理は男性にも存在しないわけでもない。それは、何かを守るという感情である。 では、そもそも母性本能という行動様式はど…

「愛している」をなぜ言えない

女性が「愛している」という言葉を求めるのは、男性がそれを言わないため。 言葉自体は陳腐なものではあるが、男性として本当に好きな女性にそれを使うのは、なかなか勇気が必要である。 逆に言えば、気楽な酒の席でホステスに向かってその言葉を乱発するよ…

懐の深さ

人間的な深みを表す言葉として、「懐が深い」と表現することがある。 元々は相撲における腕と胸の間の距離が長くて、廻しに手が届きにくいことから使われ始めた言葉ではないかと思うが、正確なところは定かではない。 懐が深いと言われる人は、直接的な意味…

男らしさ、女らしさ

性差としての「らしさ」を強調することはめっきり減ってきた。 というか、「男の娘」だとか男性の女性化が著しい世の中でもある。 これがジェンダーフリー教育のたまものなのか、それとも社会の成熟の生み出した結果なのかについてはいろいろな意見もあるだ…

高齢者の愛

高齢化社会まっただ中にある日本にとっては、高齢者問題は社会の中心的議題の一つである。 実際、国民の金融資産の1/3以上は高齢者が保有していることから消費の動向も高齢者が握っているし、選挙における投票行動も高齢者の影響が随分高い。 その結果、…

愛と仕事の天秤

「仕事と私のどっちを選ぶの?」 これは、男性にとって最も困る質問である。 いや、古今男性だけではなく女性もそのような悩みを抱いているケースもあるだろう。 ありがちな答えは、「どちらも大切」だとか、「選ぶことなどできない」というある種優柔不断に…

人に近づくこと

人にはそれぞれ自らを守るためのテリトリーがある。 心を許した人間にはその警戒ラインは狭まり、よく知らない人に対しては広がる。 好ましいと思う人は招き入れ、嫌だと思う人は遠ざける。それはごく自然の行動であって、いちいち意識して行うものではない…

癒しとはなんだろう

癒されたい。。 ストレスに晒され続ける現代人にとって、「癒し」とは一種魔法の万能薬のようなイメージすら感じられる言葉である。もっとも、本当の意味で癒されるという決着がつかないからこそ、その望みも消えることがない。 癒されるとはストレスからの…

褒め方・叱り方

褒めて伸ばすというのはどこでもよく聞くフレーズである。しかし、実際には子育てでも会社における新人教育でも褒めて伸ばしている例がどれだけ多いのかと考えれば、ちょっと首を捻ってしまう。 もし本当に褒めて伸びるのであれば、会社の方針として褒めまく…

過度な優しさが氾濫する理由

「情けは人のためならず」とは、人にかけた情けが巡り巡って自らに返ってくることを言った言葉ではあるが、その情けのかけ方によっては全く逆の結果になることさえあり得る。「恩を仇で返す」とはそのまさに逆の結果なのだが、そこにはどのような違いがある…

形と記憶

恋愛初期には、記念を重要視するのはどちらかと言えば女性の方だろうか。 その記念は明確な日時と共に記憶されなければならない。できれば記念の何かがあった方が良い。 この場合の記念とは、その出来事を固定化することに意味がある。 固定化することにより…

家族と親友の違い

当然のことながら家族は生活を共にし、友人は生活を異にする。 だから異なるのは当たり前ではあるが、私が言いたい部分はそのことではない。 言いたいことは、相手に対しての打算の程度についてである。家族も友人も基本的には打算を超えた関係と考えたいと…

感情を上手く利用する

感情的という言葉は、一般的なイメージではポジティブなものではない。 どちらかと言えば融通の利かない、身勝手な行動を引き起こすであろう状態を示している。 しかし、人間は感情の生き物である。 どんなに理性的に行動しようとしても、感情のくびきから逃…

恋と愛の違い

「恋」と「愛」の違いについては、昔から議論されてきている問題でもある。 よくある意見としては、「恋は求めるもの、愛は与えるもの。」などというものがある。 あるいは、「恋は下心、愛は包み込む心」などと漢字の「心」の位置をもって表現するものもい…

別れは人を育てるか?

最近の人は恋愛に臆病になったと言われている。 家の縛りから解き放たれた若者達は、本来であればもっと自由に恋愛を繰り返して良いはずなのに。 それは、恋愛よりも楽で快適な遊びを覚えたから? あるいは、自らが傷つくことを過度に恐れるようになったから…