Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

内政干渉誘致

 現在の日本の法律にはタイトルのような罪状は存在しない。自己の利益(地位や権力維持を含む)を追求するために日本を国際的に著しく不利な状況に陥れた政治家やメディアに、何らかの形で責任を取ってもらうことを考えた場合に、このような罪を新設するのはどうかというものだ。
 現状、河野談話(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6%E9%96%A2%E4%BF%82%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B2%B3%E9%87%8E%E5%86%85%E9%96%A3%E5%AE%98%E6%88%BF%E9%95%B7%E5%AE%98%E8%AB%87%E8%A9%B1)のでたらめさが次々と明らかにされている。しかしながら、韓国はこの談話(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140109/plc14010903250001-n1.htm)をほとんど唯一の証拠として(あとは慰安婦の証言のみ)日本を糾弾している。
 国内的に談話を撤回しようという動きはあるが、政権の転覆でもない限り一度発したメッセージは容易に覆すことはできない。事実、こうした談話(村山談話が中心だが)については日本政府が繰り返し踏襲することを表明してきた。仮に韓国の意図を組んだものだったとしても、発表したのが日本政府要人である以上それを覆す合理的な根拠がなければ日本政府としての一貫性は保てない。

 他方、外患罪(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E6%82%A3%E7%BD%AA)という罪状は最高では死刑があてられるほどに非常に厳しい罰則(外患誘致罪の場合)として存在する。もっとも、これらは武力行使を誘発することが条件であって、それ以外の日本という国家を貶める行為がなされたとしても適用されることはない。
 現在の世界では、表面上は武力衝突は一部テロや国内騒乱を除き本格的なものはほとんど存在しない。しかし、経済面、文化面、倫理(心理)面、スポーツ、その他のありとあらゆる分野ではプロパガンダを含め苛烈な競争が行われており、裏側では実質的な戦争と評してもおかしくないほどのやり取りがなされている。要するに、現在の戦争は武力以外の舞台を用いて演じられていると見る方が腑に落ちる。
 しかし、そこでは決して戦争という言葉は使用されない、宣戦布告がなく当事者の誰も存在を認めない戦いである。武力であろうがその他の手法であろうが、他国の富や領土を手に入れるのが戦いであるとすれば、世界中を巻き込んで苛烈な争いが現在も進行している。表面上で武力的なものがないからと言って平和だと勘違いするのは大きな間違いである。それを確信的に誤魔化している者がいるとすれば、これもまた大いなる偽善者と呼ぶべきであろう。

 何も現状が実質的な戦争状態だから、私達は争いに進んで参加すべきだと言っているのではない。しかし、まずは私達が平和の中心いいるような錯覚を振り払い、現実をしっかりと見るべきだというのが私の意見である。昨今の中国や韓国への多くの国民の反応は、結局のところこれは戦争(あるいは争い)ではないかと認識し始めたことから生じた現象であろう。
 ただし、政府関係の責任ある者たちはそれを戦争と言うことは国際的な常識から決して言えない。言えば、宣戦布告したと難癖をつけられるのがオチであろう(すなわち責任を負わされる)。付けいる隙を与える訳には行かないのである。
 そのような厳しい情報戦の中に居るからこそ内部の敵(というか足を引っ張る者達)は獅子中の虫とまでは言わないもののその扱いが難しい。自由な議論や言論は日本の活力や知的レベルの向上のために必ず保証されなければならないが、自由な議論と足を引っ張るための活動は必ずしも同じではない。問題はその区別が非常に難しいことにあるのだろう。

 どちらにしても、戦争が武力のみでは構成されなくなったこの時代、武力行使以外の外患誘致についてそろそろ議論を進める必要があるのではないだろうか。