Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

頑張れミドル

 ソチオリンピックでの日本人選手たちの活躍には惜しみない拍手と称賛を送りたい。世界と比較して、日本がオリンピック選手にかける強化費用の少なさ(http://kwww3.koshigaya.bunkyo.ac.jp/wiki/index.php/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E5%BC%B7%E5%8C%96%E8%B2%BB)は以前より散々話題になってきた(より詳しい分析:http://agora-web.jp/archives/1474767.html)JOC会長の子息である竹田氏の発言(http://www.j-cast.com/2014/02/09196363.html?p=all)が一部で取り上げられているが、私はその意見には同意しない。国家を歌うことは選手が自主的に行うようになるのが理想であって、それを強制するような発言を出すのはちょっと違う。また、「へらへらと笑う」と表現される態度というのは画一的に神妙にすればよいというものでもなかろう。
 その方が上品で紳士淑女的に見えるのは私も同意するが、税金で派遣されていることを盾に注文を付けるのは、居酒屋で公務員に向かって「俺たちの税金で食っているくせに」という言動と同じくらい恥ずかしい。

 特に若いうちに活躍する選手の場合には、物おじしない度胸がなければ勝負に臨むことすら難しい。もちろん年相応の態度というものはエチケットとしてあるだろうが、それは倫理であって強制ではない。むしろ、スノーボードにしてもフィギアスケートにしても10代の選手たちが堂々と世界と戦い、メダルを手にしていることこそは態度どうこうとは別に称賛されるべき凄いことではないか。
 メダルが期待されていた高梨選手にしても、10代で4位に入賞したことが普通に考えれば称賛に値する結果だと私は思う。もちろん、より良い結果が手に入れられるに越したことはないが、長い人生のうちでどのような形が最善かは誰にもわからない。
 一方で、41歳にしてジャンプラージヒルで銀メダルを獲得した葛西選手は、その経緯もさることながら年齢を重ねた円熟味を各所に醸し出している。若い頃の勢いとはまた別の形での力の発揮の仕方があるのだろう。これはこれで、後進にも大いなるメッセージを発していると思う。
 今回は、そういう意味で若手とベテランの間の選手たち(すなわちもっとも適した年代の選手たち)が自分たちの力を出し切れていない面もあるかもしれない。マスコミの無責任な煽りや周囲の過度な期待もあるだろうし、あるいは現地のコンディションに合わせるのが難しいという面もあろう。

 どちらにしてもオリンピックに出場する以上は誰しもが自らの思い描く最高の結果を出したいと考えているのは間違いない。誰も最初から負けよう(この場合は自分に対して)と思って競技に臨んでいる訳ではない。ただ、それでも実力を発揮できなかったということはあるだろう。あるいは自らの力の不足を痛切に感じる選手もあるだろう。
 まだオリンピックは続くし、そして次のオリンピックに思いを馳せる人もいる。とりあえず、頑張れミドル(中年ではない)!若者やベテランのみに話題をさらわれないように、自らのこれまでをぶつけてほしい。