Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

銭洲海嶺がきな臭い

べつに根拠がある訳ではないし、煽りを入れたい訳でもないことを最初に断っておく。東日本大震災の余震もまだまだ注意しなければならない時期ではあるが、東京大学地震研究所の地震データ(http://eoc.eri.u-tokyo.ac.jp/harvest/eqmap/tkyMAP1.html)の様子がここ数日ちょっと変わってきた。局部的に微小地震が増えるのはよくあることであって、それがすぐに大地震に結びつく訳ではないのだが、ここ数日の状況が東日本大地震後の微小地震分布と比べてかなり変わってきた感じがしている。

具体的には、駿河トラフ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A7%BF%E6%B2%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95)と相模トラフ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95)の中間付近における微小地震がかなり増加してきたのである。これは、一般に東海沖地震震源域と想定されている部分よりも東側であり、北米プレートとフィリピン海プレートおよび太平洋プレートの接触面付近にあたる(参考:http://www5d.biglobe.ne.jp/~miraikai/nihonnopureito.htm)。

固有の名称で言うならば伊豆諸島の近くでの微小地震が増えていると言い換えられる。この位置は銭洲海嶺(ぜにすかいれい)と呼ばれる場所であり、この位置での地震は同時にフィリピン海プレート内にひずみが溜まっている可能性も指摘されている。また、あるいはこの銭洲海嶺の南側に新たなプレート境界が作られようとしているのではないかという意見もあるようだ。というのも、銭洲海嶺は太平洋プレートの下にフィリピン海プレートが潜り込んでおり当該位置での微小地震の増加は何も今回だけのことではないのだが、通常は伊豆大島付近などに集中した火山性の微動が多かったように思う。ただ今回はやや範囲も広い。NHKでは少し前に相模トラフ付近でM8(マグニチュード8)の地震が発生する可能性について触れていた(http://gondorff.blog130.fc2.com/blog-entry-159.html)ようだが、可能性自体は前から言われている場所でもある。

日本における巨大地震は、上記のようなプレート境界型地震(巨大なプレートの境で生じる地震)とプレート内部の断層が引き起こす直下型地震に二分される(正確にはもっといろいろな種類があるが)。東日本大震災は前者に属し(M8クラス)、阪神淡路大震災は後者(M7クラス)に該当する。
1000年に一度と称される(現実には日本中で見ればもう少し短くなる)大地震はこのプレート境界で発生し、現在の警戒も後者を中心に行われている。原発などにおける断層が話題となっているがこちらは後者に関する問題である。
プレート境界では、片側の沈み込みに対する反動で巨大地震が発生するとされているが、地震とはあまり感じられない滑りも生じている(スロースリップhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97)。こちらは動きとしては大きいが巨大地震として感知しないので世の中ではあまり大きな問題とされないが、地震発生のメカニズムには大きく関わっているし、場合によれば地震無しに大きな津波を引き起こす可能性も指摘されている。

さて、当初から指摘している銭洲海嶺付近の群発微小地震だが、Hi-net(http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/?span=24hours)では表示されていないので、このあたりも東大の地震研究所のデータとなぜ違いがあるのかは私にはわからない。私は地震の専門家でもないしこの傾向もすぐに収束するかも知れないので、あまり騒ぎ立てるのはどうかと思うが、とりあえず気になったので記録を留めるという意味で書き記しておきたい。