Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

B級アニメはいかが?

世の中はB級グルメが小さなブームとなっており、ご当地名物が全国から集められることも少なくない。この場合の「B級」は映画などで使われる場合と異なり劣っている・くだらないと言うよりは「隠れた」良さを持つものを意味する。あるいは、見た目などから想像しがたい意外性を言う場合もあるだろう。同じ様な考え方に基づけばこの「B級」という言葉はあらゆるジャンルにおいて主役は張れず普段は目立たないが、それでも実のところ面白い(良い)ものに用いることもできるはずである。
小説でも漫画でもこうしたものを取り上げることはできるが、ポップアートなどでは表向きこの「B級」が世間を席巻してしまうことすらある。「B級」ジャンルに含めて良いかは議論もあるだろうが、AKBには似た匂いを感じずにはいられない。
それは完璧を目指し悪い点を指摘するのではなく、完璧であることを最初から諦めた中で不完全ながらも少しでも良さを増やすことを目指すスタイルでもある。

要するに、「B級」とは最上を目指す畏まった厳しい道のりではなく、気楽に楽しめるという庶民の娯楽の本道なのだ。
さて、ここではそうした趣旨に則り「B級」と私が独断と偏見で勝手に認定したいくつかのアニメを紹介するとしよう。繰り返しになるが、メジャーではないが何やら面白いというものを想定しているのでクレームはなしにお願いしたい。

BPS(バトルプログラマー シラセ:http://ja.wikipedia.org/wiki/BPS_%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A9%E3%82%BB
一言でいえば変態ロリコンコンピュータを駆使するバトルアニメである。全5話(放送上は15回に分割)であり、続編を匂わせながら終了している。ストーリーは天才プログラマーながら貧乏生活を送っている少女好きな男性が、そのコンピュータスキルを駆使して日本の平和を守るというものなのだが、ストーリーに盛り込まれた水戸黄門を思わせる画一的な流れは好きな人には堪らない。
続編の希望もネット上でちらほらと見かけるが、放映後9年ほど経過した現時点でもそんな噂は上がっていない。単にマニアにしか受けないため儲けが出ないのか、あるいは児童ポルノ関係でまずいと制作者が判断しているのかはわからないが、個人的には少し惜しい気もする。ちなみに、念のために書いておくが私はロリコンではないので悪しからず。

アベノ橋☆魔法商店街(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8E%E6%A9%8B%E9%AD%94%E6%B3%95%E2%98%86%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%97
不条理展開の比較的明るい内容のパロディアニメである。ただ、2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞ということなので、評価的には「B級」には止まらないかも知れない。子供たちが異世界に紛れ込むというのは漫画やアニメの王道なのだが、そこに努力や苦難を乗り越えるという少年ジャンプ的な要素は一部の話を除いて見あたらない。むしろ、漫然と流されていく変化を楽しむべきものなのだろう。

フリクリFLCLhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AA
この作品は前述の「アベノ橋・・・」をシニカルにアレンジしたような作品であるが、その完成度の高さからすると日本での評価は比較的低く、実は日本よりもアメリカでの人気の方がはるかに高い。それは作品がOVA制作でありTV放映がされていなかった事が影響しているかもしれない。

宇宙の騎士テッカマンブレードhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89
タツノコプロ制作なので「B級」に分類するのは抵抗があるが、それでも制作時期がタツノコ全盛期を過ぎており、そのなかでハードでシリアスなヒーローものとしての評価は高い。ただ、なぜか同種のアニメと比べるとクオリティに比して知名度が低いようである(もちろん、知っている人はよく知っている)。もともと「宇宙の騎士テッカマン」という作品が「新造人間キャシャーン」、「破裏拳ポリマー」に続くハードSFアクションとして1975年に放送されていたが、テッカマンブレードは名前と設定の一部こそ継承しているもののストーリー的には別物である。初期作品のコミカルさや設定の大仰さを廃した作りはなかなかにハードボイルドである。

ケモノヅメhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%85%E3%83%A1
おそらく見る人をかなり選ぶ作品。エロティックバイオレンスホラーラブコメディと銘打っているが、どちらかと言えばかなり実験的野心的な作品と言うべきだろう。ヘタウマ的な絵を用いて、さらに展開もシリアスなように見えてヘタレ要素ふんだんの微妙なバランスによっている。WOWWOW有料枠放送という事もあって世の中にあまり受け入れられ広がる事はなかったが、試みとしては面白い。

挙げていけばおそらくいくらでも出てくるであろうが、近頃流行の「B級グルメ」に敬意を表して私が考える「B級」アニメを紹介してみた。