Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

日本は李明博を温かく迎えよう

日本の衆議院選挙は終了したが、韓国の大統領選挙は12月19日に投票を迎える。中国の政治局員交代から始まった東アジア政治勢力の動きは、韓国のそれを持って終了する。現在は与党セヌリ党朴槿恵野党統一候補となる民主党文在寅による一騎打ちとなっている。
現大統領である李明博政権時代に韓国は電子機器市場などで世界的な企業となるサムソンを後押しし、輸出国家としての地位を築き上げた。国家を挙げてのウォン安政策は、ライバル国家である日本の電気産業界を多大なダメージに陥れ、少なくとも現時点において日本との勝負に関して言えば勝利している。もちろん、その状況に導くために国内では一部の財閥系企業を除いて企業収益は全く向上していない。むしろウォン安の負の面であるコストプッシュインフレが少しずつではあるが進行し、競争力確保のために電力会社に課した電気料金年下げは、電力会社を回復不可能な赤字に陥れつつある。その他の公営企業もインフレが国民の生活を直撃している現状では値上げが難しく、赤字が積み上がっているとも聞く(http://blog.goo.ne.jp/ohmaelive/e/cf26b2748cb79160e16a17b97dd399b4)。

次期首相に自民党安倍氏就任することが確実になり円が若干安くなっているが、それでも小泉政権時代の120円から言えば程遠い。ところが、たかだかその程度の円安であっても韓国企業の業績に影響が出るのではないかと株価が下がると言うことは、日本企業の不振が為替だけではないと言われながらも為替の影響が大きいという事実を証明している。
どちらにしても、韓国の一部企業のこの世の春は長くはなかったと言えるだろう。そして、その事実が突きつけられるほどに李明博に責任は押しつけられる。彼の取った一部の財閥が世界的に成功する仕組みは、韓国民のプライドは大いに刺激したであろうが同時に懐までは潤さなかった。全てが上手くいくことなどあり得ないのだからどの方向を取るかの選択だったのだが、IMF送りという屈辱まで受けた恨みは一部企業だけでも世界を席巻するという夢に軸足を置かせたのである。
ただ、夢では腹はふくれない。サムソンなどの成功は韓国の繁栄を約束するように見えたであろうし、それ故に社会が活性化したのも事実ではあるが、それは背伸びした成長であったことも韓国国内のカードローン利用額の多さが示している。言い換えればそれも心理的なバブルであったと言えるだろうが、どちらにしても満たされた虚栄心にふさわしい生活を送れるほどの全ての国民が得たわけではない。

こうした歪みが社会に鬱屈した不満を広げ、李明博叩きになっている。もちろん、大統領の親族による不正は韓国の伝統芸というか、韓国の社会制度が生み出す一種やむを得ない流れなのかもしれないが、基本的には許されるべきものではないのも確かだろう。
竹島訪問は、その苦しい事情を国士として振る舞うことにより逃れようとしたわけではあるが、日本としては苦々しいとしか言いようがない。あるいは天皇陛下に対する侮辱の言葉は私も許せないと思う。
しかし、ここで敢えて彼が日本に逃れようとするのであれば、日本としては温かく迎えるべきではないかと思う。
それは、日本という国として反日行動には毅然とした態度を取るが、同時に親日的な態度には寛容で迎えるという明確な姿勢を見せることにある。すなわち、李明博大統領は日本に迎え入れてもらうためには、反日的な行動を謝罪しそれが韓国のプライドを維持するためだけの行動であることを告白させるのである。
おそらく、その後彼は韓国には帰れまい。しかし大統領まで務めたものが証言すれば、反日が結果的に韓国に寄与しないことを公然と語ることのできる雰囲気ができあがるかもしれない。今は、日本を貶めなければ国民ではないという雰囲気が蔓延している。そのタブーを破ってもらう人物としては、李明博大統領は最適だと思うのである。

さて、それが実現するかどうかはわからない。しかし、朝日新聞の社是が反安倍であるように反日が国是の韓国を少しでも変えるとすれば、一つの手段としてはあり得ると思うのだ。単純に排斥すればそれでよいとは私は思わない。