Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

悟空に支配された国

「オラ、悟空!」は鳥山明氏の大ヒット漫画であるドラゴンボールの主人公の台詞であるが、韓国だけでなく日本のメディアですら現状を右傾化と呼んだりしている(http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1700M_X11C12A2EB2000/)。韓国メディアは日本が極右に支配されたと書くところも少なくない(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121217-00000016-cnippou-kr)が、それは一体何処の世界のことだろうかと私からすれば今ひとつ実感が湧かない。
何度も書いているが、日本は一時期リベラルに任せようという動きが生じたものの、現実には彼らには外交および経済を仕切る能力がないことがわかったことによる回帰現象である。利益誘導型の政治が極まったことにより自民党は一旦否定された。実のところを言えば小泉政権時代に利益誘導型の政治はその実行性を大きく毀損されており、派閥の締め付けも非常に緩んでいた。
対中・対韓政策についても、小泉政権時代の方が言うべきことを言っていた。別に右傾化したのではなく中国や韓国側が日本甘しと権益略奪を試みようとしていることに耐えられなくなったに過ぎない。自己防衛の動きを右傾化と呼びそのような動きをする政治家を極右と呼ぶのであれば、世界中は極右に満ちあふれている。

何処の国も、自国の国益を守るために政治家が活動するのは当然のことである。そして、自国に有利に働くと考えるからこそ国際協調や二国間の協議を行うのである。確かに、これまでの日本は領土を守るという事や国益を守るという事について無頓着すぎた。もっとも、無頓着でいられたのは経済的に優位な立場でいたからであって、数々の外向的な問題を先送りにしてきたと言うよりは先送りに出来る状況にあったのだと言える。
その時代を標準として日本を見れば確かに右傾化していると言えるかもしれないが、あくまで右傾化は相対的なものであって絶対的な立ち位置は中道のレベルでしかない。逆に言えば、これまでの日本の消極的な外交が、中国や韓国にとってはどれだけ都合が良かったのかと言うことを、彼らの言い分を聞けばわかるというものである。

実際に、フィリピンやインドは日本のこの政権交代を歓迎すると報道されている。アメリカも、一部のメディアにおいては警戒の向きが示されているが、アメリカ政府としては民主党が政権から降りたことを安堵の気持ちで迎えているであろう。
むしろ、そのような動きを伝えずに「アジアや欧米が日本の右傾化に懸念を示している」と言った一部を切り出した報道が行われていることこそ偏向であると私は思う。アジアでも日本が中国と対峙する姿勢を示したことに歓迎の意を示すところは少なくない。中国との関係を重視して表立っては言えなくとも、非公式にはそのような意見も伝えられるであろう。
なぜなら、アジア諸国からすれば現実的な脅威は日本ではなく中国であるのは誰の目にも明らかではないか。70年前の亡霊と今ある実体とどちらが具体的な問題であるかは考えるまでもない。
だとすれば、日本のメディアがその状況を正確に伝えないというのは正直に言って罪である。自らのイデオロギーを正当化するために、事実を伝えずに日本の動きを責め立てる。こんな馬鹿げたことが行われているとすれば、もはや笑うしかあるまい。

ただ、だからと言って強面を無理に見せる必要など無い。かつて、中国が日本人のことを「日本鬼子」と呼んだときにネットを中心に「日本鬼子」が萌キャラクター化されてしまった(http://www.google.co.jp/search?q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%AC%BC%E5%AD%90&hl=ja&tbo=u&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=aZjPUMTIHI72mAXBuYGQAQ&sqi=2&ved=0CEkQsAQ&biw=1009&bih=764)。中国のネットでは脱力して迎えられたようだが、武力と武力の争いになるよりはずっとマシであろう。
だとすれば中韓の報道に対して、鳥山先生の承諾を得てではあるが、、、

「オラ、悟空!なんかワクワクしてきたぞ。」

くらいの著名キャラクターによる反応を示してやればいい。スーパーサイヤ人に支配された国に手出しなどしようと思う国は少ないだろう?