Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

韓国にヒトラーが誕生する可能性

 池田信夫氏が、次のような内容をブログに掲載していた。
  トランプのヒトラー的レトリック(http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51974817.html

 これは、高田博行氏の『ヒトラー演説』(https://www.amazon.co.jp/gp/product/4121022726/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4121022726&linkCode=as2&tag=ikedanobuo-22)からの引用を基にしたもののようだが、そこではヒトラーが国民を惹き付けるために用いた手法がプロパガンダのコツとして掲示されている。

・民衆を味方につけるには、文章より演説のほうが効果がある
・同じ話を1000回くり返して初めて民衆は理解する
・圧倒的多数の民衆は、女性のように論理ではなく感情で動く
・つねに敵をつくり、自分たちがその犠牲者だと強調する
・綴りの長い言葉は使わず、限られた語彙で話を単純化する

 私自身、上記書籍を未読のため確定的な物言いは出来ないが、確かに大衆を扇動する手法としては合点がいく内容だとは思う。耳に残りやすい単純なフレーズを用い、何度も繰り返し主張を続け、人々の感情に働きかけ、常に明確な敵を設定する。

 これが成功するかどうかは、逆に言えばそれを受け入れる素地が国民に広がっているかどうかにも大きく影響される。今の日本では左派の識者が心配するほど、こうした独裁者が生まれる可能性が低いと私が普段から感じているものと近い。今の日本では、感情に流されて行動する人が少なくなっているのは、左派運動が広がりを見せないことでも理解できる(同じことは保守運動でも言える)。そう言う活動が広がらない一番の理由は、今の社会に問題が無い訳ではないものの、そこに大きな不満を抱く人が少ないということがあるだろう。
 ガバナビリティの高さが関係するためか、貧富の格差の問題であるとか、仕事の有無や社会的セーフティーネットの整備状況など、個別に探せば不満は見られるだろうが、それが大きく一つの方向を向くようには広がらない状況がある。最近もっとも広がったのは反原発運動だろうと思うが、それも感情のみで引っ張れる時間はそれほど長くなく、逆に科学的な分析がネット等を通じて広がっていくことで活動は下火になったようにも思う。

 だが、同じようなことを考えてみると、日本のお隣の韓国はまさに独裁者が生まれる素地を備えている様にも思える。「コリエイト」とも呼ばれる韓国による各種起源主張であるが、他国からの論理的な主張をすべて無視するように何度も繰り返して主張し続ける。近年では「王桜」を「ソメイヨシノ」の起源だと大手新聞も掲載するほどに宣伝戦を繰り広げるが、遺伝子的に異なるということは既に研究から明らかにされている。
 それでも事実になる(事実として受け入れられる)まで繰り返し主張し続けるというのは、文化の一部となっている様にも思える。

 そして、多くの人たちが感情で動くことについては、ろうそくデモを見てもわかるのではないかと思う。釜山領事館前の慰安婦像についても、条約や国家間の合意よりも国民「感情」が前に出るという国民性であるのを私たちも目の当たりにした。いろいろな主張があり、様々な考え方があるのは否定しないが、それを感情が押しつぶしてしまうのは扇動されやすい素地を備えているとも言える。
 それを誇るべき民主主義だという主張には、私は個人的にはどうしても首肯できない。

 さらに、日本をライバルと言う以上に敵国と定めているように見えるのも、韓国の統治システムの一部として組み込まれている感がするが、これは穿ち過ぎであろうか。私も個人的には理性的な韓国人も何人も知っているし、韓国の現状を憂いている人も少なくないだろうと思う。
 だが、それを表明することが「親日的」であると処分対象になってしまうような社会は、正直歪んでいると思う。論理的なアプローチで行われた歴史研究者が、その論理性ではなく感情論で謝罪を要求され、あるいは裁判で有罪になる。これも、敵を定めるという面において十分すぎる素地を有している。

 とすれば、残るは効果的なフレーズを使って演説により大衆を扇動できるようなプロパガンダを演出できる人間が登場すれば。もちろん、それは杞憂に過ぎないかもしれない。だが、独裁者が生まれる可能性は日本よりも韓国の方が随分い高いように思えるのだ。
 元々、韓国は北朝鮮とあくまで停戦状態と言う均衡を続けててきた国である。同じ民族が分裂するという苦痛を日本人がきちんと理解するのは難しいかもしれない。だから、その心理や考え方を完全に知ることは不可能であろうと思う。

 ただ、韓国と言う国が今以上に大きく疲弊していった時に、扇動者が登場しないという理由はあるまい。トランプの登場が、即独裁者の登場に繋がるなんて言うのは話が飛躍しすぎだと思うが、ただ、それを許容する心理が世界中に広がり始めると、素地の高い国ほど暴走する危険性は高い。
 最も問題なのは、世界中で独裁者が大きな権力を握るケースが増えるほどに、そしてそれが近隣国家の脅威となるほどに、それに対抗する必然性が生まれてしまうということである。生じた状態に対抗するのは手段としては間違いではないが、予想される場合にはできるならば予防措置を講じるのが効果的である。

 さて、私の考えていることは想像が飛躍しすぎているのか、あるいはこれでも楽観視過ぎなのか。正直、今からの時代はこれまでの安寧の時代とは一線を画しそうな感覚はある。その大きな流れがどこに向かうのか。いろいろと考えてみたいとは思う。