Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

電子麻薬

韓国人は「スマホ中毒」、やり過ぎで椎間板ヘルニア急増中の“笑えぬ人類の未来像”(http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131218/waf13121807000001-n1.htm

 別に韓国社会が特別におかしいといった話ではなく、偶々日本よりもスマホの普及率が高いという違いがあるのみで、同様のことは日本でも懸念される。かなり以前より「ネット廃人」なる言葉はよく用いられてきた。上記の報道のようにIT先進国を標榜する韓国でもその名の通り、ネットのしすぎで死に至る物まで現れていた(http://www.itmedia.co.jp/news/0210/09/njbt_09.html)。
 ここに来てスマホの大画面化が進行しているのはコンピュータのポータビリティに関係しているが、コンピュータの内で最も良く使用する機能、メール、ブラウジング、ゲームを主体とした機能を携帯電話に持たせたものである。従来の電話機能の役割はかなり退化し、LINEやその他のSNS等を主体としたコミュニケーションツールと化している。

 ゲームでも、時間潰しの用途とコミュニケーションツールの拡大版としてのものとが存在し、後者の方が中毒性が高い。もちろん、これらは分別があれば調整できるものではあるが、分別で調整できる同様の物を考えればたばこやお酒があたる。何のことはない、精神に安堵と刺激の繰り返しを与える嗜好品ではないか。そして、酒もたばこもそれを断つとイライラし、止めることがなかなかできない。
 まあ、美食やファッションも同じと言えば同じではあるが、問題は単なる浪費癖というレベルを超えて日常生活に大きな影響を与え始めれば問題である。それは、一人二人こうした症状が出たからと言って規制されるべきものでは無いが、この傾向が悪化するとすれば無視しておくこともできまい。

 「電子麻薬(http://dic.nicovideo.jp/a/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0)」とは元々はSF小説の中で生み出されたネットからの刺激が人体に快楽を与える仕組みのことを意味しているが、スマホといういつでも見ることが出来るツールによりこの可能性は高まりつつある。現状で意図して効果的な刺激を与えるための理論は発表されていないと思うが、一部では2ちゃんねるニコニコ動画がそれに当たるとの話も出ているようだ。
 私は、それ以上にもっと視神経を直接刺激するシステムが現れてもおかしくないと思う。こうした物の効果は仮にそれがあったとしても本来長時間続くものではないが、スマホなどを携帯することで頻繁にそれらに接するほどに効果が累積していくことになる。もちろん、現状ではあくまで可能性の問題に過ぎないが、機器の性能が上がりより高解像度の画面が現れそれに常にアクセスすることを考えれば十分に考えられる。

 視覚からではないが、既に音声ファイルとして麻薬と同じようにハイになれるとされるMP音源3(i-doser)がアメリカや韓国などでも問題になりつつあるとされる(http://matome.naver.jp/odai/2135290351196698601)。その効果の程は定かではないが、こうした電子麻薬が実際のドラッグのプロローグとならないかが心配されているのだ。
 露骨な音声ファイルなどは駆除されることになるだろうが、こうしたノウハウは次第にサイトの集客のために使用され広がりを見せるだろう。そして、新しいシステムが開発され視覚・聴覚を含めたサイケデリックな体験を提供するサイトがいつ生まれてもおかしくない。
 スマホの中毒が生み出す未来には、これまで存在しなかった危険性が隠れているように思う。もちろん同じことはPCやガラケーでも味わえなくはないが、前者はそこに傾倒する頻度で、後者はその性能でスマホには劣るであろう。実態はスマホの先の仮想現実にあるのかも知れないが、できることなら私のこの想像が杞憂であることを願いたい。