Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

マヤ終末論と日本おしまい論

ネット上では、少し前よりこんなコピペが出回っている。
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マスゴミ様のありがたいお言葉
円高⇒ 輸出企業壊滅で、日本経済はおしまいです。
円安⇒ 原材料高騰で日本経済はおしまいです。
株価下落⇒ 日本経済はおしまいです。
株価上昇⇒ 実感なき上昇なので日本経済はおしまいです。
GDP上昇⇒ 実感なき経済成長に過ぎません。日本経済はおしまいです。
GDP減少⇒ 日本経済はおしまいです。
世界経済縮小⇒ 外需依存の日本経済はおしまいです。
世界経済拡大⇒ 日本の存在感がなくなり、日本経済はおしまいです。
物価下落⇒デフレで日本経済はおしまいです。
物価上昇⇒ハイパーインフレで日本経済はおしまいです。
日本が米国債を増やした⇒ アメリカの飼い犬で、日本経済はおしまいです。
日本が米国債を減らした⇒ アメリカへの影響力が薄れ、日本経済はおしまいです。

事象の全て日本の終わりに集約されるので日本経済おしまいです。
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僅か前まではマヤ文明の終末論が世界中で話題になっており、一部では社会不安を引き起こすところまで進行していたが、多くの日本人がネタとして楽しんだように蟻一匹騒ぎ立てるような予兆もなかった。かつてはノストラダムスの予言も大きなブームとなったが、終末思想はこうしたメジャーなブームのみならず多くの宗教と結びついている。
考えてみれば、上記のコピペも同じ系統の思想に基づいている。終末論(あるいは衰退論)を煽ることにより自らの発言力を高めて情報支配しようという流れであることがよくわかる。

現実には、円高には円高なりにメリットデメリットがあり、円安も同様である。国富として考えれば円高の方が価値が高いが、他国との競争をする場合には円安の方がメリットがある。
しかし、小泉政権時代に1ドル120円であったことを考えれば、現状多少円が安くなったからと言って小さな誤差にしか過ぎないし、長期金利が0.1%程度上昇したからと言ってそれが国を滅ぼす訳でもない。結局のところ彼らは自分の飯の種のために不安をまき散らし煽っているに過ぎない。
お金が流れなくなっている現状では、何とかしてお金を社会により多く循環させるようにしなければならないから、それを長期に続ければ毒になるような政策であっても一時的には行う必然性はある。彼らは毒を使うことを非難するだろうが、毒も使い方次第では薬になるし、逆もまた真である。
確定的なことなどどこにもないし、その時々や状況に応じて臨機応変に対処を変えることが最も望まれる(ルーピーのようにふらふらするという意味ではない)のである。
ところが、マスコミからすれば政策が上手く行くと飯の種に困る訳だから、何かあれば難癖をつける。そしてそれが行き着けば日本は必ず滅びることになるという訳だ。もちろん、1000年後に日本という国があるかどうかはわからないが、少なくともここ数年で滅びの道を行くようなことはないと私は思う。日本人はそこまでバカではない。

逆に言えば、この手の論調が出てくればネタとして楽しめばよいだろう。彼らは、そのように扱われることを最も畏れているのだから。マスコミのおしまい論は、マヤ終末論やノストラダムスの大予言と大きな違いはないのである。