Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

残念男子日本サッカー

女子は決勝に進み、男子は準決勝で負けた。その違いは、指揮官の采配とGKにあるように感じた。もちろんここまできた事に対しては十分な敬意を送りたいと思うが、同じような劣勢の試合での結果が逆になったのはそこにあるのだろう。ミスを多くした男子は敗れ、幾分ミスが少なかった女子は勝ち残ったという事である。
男子チームのミスとしてもっとも気づくのは、監督の交代選手の采配である。永井選手がこれまで良いパフォーマンスをしてきていたことは誰もが承知しているが、今日は前半で既に動きが鈍かった。試合を見ていててっきり永井選手を替えると思っていたが、実際には監督は最後まで永井選手を使い続け、後半の半分以上はもう走る事さえ出来なくなっていた。この前の怪我もあるだろうし、これまでの疲れの蓄積もあるだろう。
そして、最初に交代したのは東選手そして次に清武選手であった。確かに今日の東選手、清武選手の動きも永井選手同様に鈍いものであったが、これは連戦の疲れがあるのだろうと思う。パスコースにもいつものような冴えが見られなかった。ただ、日本チームの攻撃の起点はこれまですべて清武選手を介していた事を考えると、同じように動きの鈍い永井選手を残したとしても得点に至る可能性は極端に下がってしまう。
言い方は悪いが監督は永井選手と心中してしまった。このオリンピックにおいて上手くいった戦術永井を最後まで変える事が出来なかったのだ。リードされての交代としてはあまりに戦略がない。パスの出しどころを下げてしまっては追いつけるものも追いつけない。

もう一つはゴールキーパーのミスにより取られた2点目であろう。相手であるメキシコの前線の選手がまだ多く残っているところにパスを出してしまった。速攻としての意図はわからなくないが、残念ながらパスを受けた扇原選手がボールを奪われて失点につながってしまった。
メキシコの前線からのプレスが厳しい事は前半よりわかっていたにも関わらず危険な選択をしてしまった事になる。これは結果論であるが、速攻にしてもせめて再度に出すべきではなかっただろうか。

とは言え、男子サッカーとしてメキシコ大会以来のベスト4は誇れる結果だと思う。それは、守備陣の安定と攻撃陣の意外性であった。そして守備の安定は前線での厳しいチェックが大きな効果を発揮していただけに、走りきれなかった今日は攻撃の迫力と共に守備の安定性も失っていたと言える。
メキシコの選手は前回の延長戦にも関わらず、日本選手よりもずっと走っていた。その脅威の体力と精神力に敬意を表したい。
結果的には、日本として走り勝っていた試合は勝利し、走り負けた試合は敗れたという事だ。

ただ、ミスはあったとは言え胸を張れる結果だし、きっちりと気分を切り替えて3位決定戦に臨んで欲しいものである。