Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

お茶とスポーツ飲料

私が子供の頃には、スポーツ飲料などと呼ばれるものはほとんど存在しなかった。幼少の頃にはポカリスウェットもまだ登場しておらず、アメリカ生まれのゲータレードはあったかもしれないが、粉っぽくてとてもおいしいと言える代物ではなかった。なんというか、お菓子のラムネを水に溶かしたような感じの味がしていたものである。
だから当然ながら、普段の飲み物としてはお茶か水道水が全てであった。当時はペットボトルもなかったので、おいしい水もなければ自動販売機でお茶が売られるなどと考えた人もいなかったのではないか。

うちの場合には、夏は麦茶、冬は煎茶が定番で、煎茶は出がらしになるほど何度も使っていた。瓶入りジュースも滅多に飲めなかったが、なぜかお歳暮などに濃縮カルピスをいただいたときには、それを大切に飲んだ記憶がある。ちなみに、カルピスの亜種として「コーラス」とか、いくつかの種類があり少し安かったので、買ってもらえるのはそちらの方であった。
カルピスにはいくつかの使い道があって、夏のかき氷にかければ甘いシロップとはまた別の子供にとってはグレードの高いかき氷が生まれていた気がする。あるいは、ゼリーの素(ハウスのゼリエースだったか?)にカルピスの原液を混ぜて何度もカルピスゼリーを作ったこともあった。これを冷蔵庫に冷やして食べるのはちょっとした贅沢でもある。

外でジュースなど滅多に買えないが、粉のソーダだけは買ってもらえた。水に溶かすと勢いよく泡立つヤツである。一日一杯だけと厳重に注意されていたので、その一日の一杯をいつ飲むかを考えるのも楽しみでもあった。ただ、夏に水道水を混ぜても生ぬるく(炭酸があるのでそれほど気にならないが)、氷を混ぜると味が薄くなると言うこともあって子供ながら二希釈の程度には厳重な管理が必要だったのを覚えている。

スポーツ飲料が本格的に出回ってきたのは学生の時だっただろうか。最初は粉を溶かすタイプが中心である。部活の合宿などでは先輩からの差し入れとしていただくと、非常に人気が高かった。最初の頃のポカリスウェットはグレープフルーツの薄い味だったような記憶もあるが、このあたりは定かではない。ただ、かなり味が変わっていった記憶はある。
スポーツ飲料も差別化が必要だったのか、一時期は炭酸入りのものがかなり出回ったのだが、現在ではほとんど見かけない。私は個人的には嫌いでなかったが、今の流れはローカロリーという感じのようである。
カロリーを抑えたいのであれば麦茶は最高だと思うのだが、スポーツ飲料の微妙な塩分と甘みに慣れた口は、なぜだか麦茶をあまり欲しなくなってしまっている。もちろん、大きく喉が渇けば冷えた麦茶の方がおいしいのだが、若干スポーツ飲料中毒にかかってしまっているのかもしれない。

考えてみれば、スポーツ飲料というのは夏場に大きく汗をかいたときや、何らかの理由で食べ物を摂取できず(病気や夏ばてなど)不足する最低限の塩分等を補給する飲み物である。しかし、スポーツをしているときや病気の時などを除けば、そこまで食欲を失うケースは多くはないだろう。だとすれば、何となく雰囲気で良さそうに思って飲んでしまうのだが、無用なことをしている可能性も高い。
今では、お茶も同じ土台に載っている(コンビニや自動販売機で買える)わけだから、分け隔てて考える意味もないかもしれないが、今年の夏は少し麦茶を飲もうかとふと考えた。