Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

サンフランシスコ空港事故

 まずは事故により亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、まだ入院中の方々の早期の回復を祈願したい。さて、現状ではNTSB(米運輸安全委員会)の判断は状況証拠からみて機長を含めたパイロットの操作ミスとの意見を固めつつあるように思えるが、韓国は政府を挙げてこの状況を変えようと必死な感じがある。
なぜ操作ミスと見る…アシアナ事故調査で米に抗議書簡=韓国(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0715&f=national_0715_005.shtml
NTSBの'操縦士過失'主張に対応する5つの答え 【朝鮮日報 要約】(http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2013/07/15/2013071501692.html

1. 初期から積極的な ‘言論対応プレー’を広げなさい
2. アメリカ国民もボーイング社の欠陥航空機の犠牲者になる可能性があることを浮上させなさい
3. 友好的な機関及び団体と ‘連合戦線’を形成しなさい
4. 韓国政府は外交チャンネルを通じて抗議レベルを高めなさい
5. FX 事業参加業社であるボーイング大韓民国国民情緒を悪化させないほうが良いと警告圧迫しなさい.

 アシアナ航空が負担すべき賠償金額を減少させようという意図はわからなくもないが、アシアナ航空国営企業ではないしこれだけの状況証拠がそろっているところで、周囲が少々騒ぎ立てても容易に何かが変わるとは思えない。特に、日本国内であれば歴史問題にまで話を広げてクレームをつけることもできるかもしれないが、アメリカは少々のことでは揺らぐまい。却って、韓国という国の心証を悪くしてしまうと考えるのが普通ではないかと思う。
 そんなことすら考えないというのがかの国のメンタリティと決めつけるのは容易だが、上記の心証等については韓国の政府当局も承知していると思う。

 だとすれば、逆に少々心証を悪くしても守りたいものが他にあるのではないかと勘繰りたくもなる。すると面白いニュースが目を引いた。
<アシアナ機事故>元教官がパイロット養成の内幕を明かした衝撃的メール!―ドイツ紙(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130715-00000007-rcdc-cn
 このニュースの信ぴょう性がどこまであるのかは現時点ではわからないものの、航空会社の運航体制や姿勢まで追及される危険性を感じたからこそ、少しでも自ら以外の非を認めさせることで韓国の航空体制を守ろうとしているのではないかと思った。
 単純にパイロット個人の資質で収まるのであれば、賠償の問題は小さくはないがそれがもっともわかりやすい結果でもある。そもそも、アシアナ航空が賠償金を減らすためにいろいろと動くことについては理解できない話ではないが、政府所管の韓国事故調査委員会がここまで強く言うのは今一つしっくりこなかったのだ。

 しかし、今回の問題が韓国におけるパイロット養成の体制やそのレベルにまで広がりを見せれば、韓国の航空会社の世界の空港への乗り入れに大きな支障が出ることが想像できる。少なくとも、安全体制が保証されるまでアメリカへの空港乗り入れが禁止されるとしたら、これに追随する国は数多く出るであろう。これは韓国という国家にとって決して小さくないダメージとなる。現状では世界のパイロットが不足しているという状況(http://uccih.exblog.jp/tags/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88%E4%B8%8D%E8%B6%B3/)もあり、韓国以外での十分な飛行経験のあるパイロットを数多く抱え込むということもそう簡単なことではない。また、そもそも危険な航空会社だという認識が広がること自体が、企業存続において大きな問題となりかねない。さらに言えば、これが韓国という国家の問題だとすれば、もう一つのエアラインである大韓航空についても状況は変わらないとされてしまう。
 この問題の広がりを抑えるために、機長のみの責任ではないという形に何とか持ち込みたいという思惑が透けて見えるではないか。

 とは言え、問題は韓国が思っているほど甘くはないようにも思う。さてさて、どうなるのであろうか。