Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

黄巾の乱

黄巾の乱http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E5%B7%BE%E3%81%AE%E4%B9%B1)が中国史としても有名なのは三国志演義http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97%E6%BC%94%E7%BE%A9)を通じて何度も語られているからであろう。

さて、現代中国もジニ係数が0.61と発展途上であることを勘案しても信じられないほど高くなっており、貧富の差の拡大による国家統制を図ることが非常に難しくなりつつあるが、ちょっと興味深い話が飛び込んできた。
共産党と「決戦」呼び掛け 中国宗教組織、当局が警戒(http://sankei.jp.msn.com/world/news/121214/chn12121422500004-n1.htm
「全能神」と称する地下宗教組織が入信者のみが救われると、現在の共産党独裁体制に公然と反旗を翻しつつあると言うのである。その主張はマヤ歴の終末思想(単なる読み方の問題で思想ではないと思うが)を利用したかなり過激なもののようである(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012121400644)。
そもそも、中国の宗教弾圧については法輪功http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E8%BC%AA%E5%8A%9F)が有名であるが、法輪功は信者を爆発的に増やしたことを江沢民が懸念して弾圧したものであるが、もともとは中国共産党に敵対的な存在であった訳ではない。要するに、目障りだったという程度でも共産党による統治の関係で問題視された訳だ。
しかし、チベットでの焼身自殺なども含めて不満のマグマが貯まり続けているのは間違いなく、その暴発を以下に抑制するかが中国という国の最も大きな悩みでもある。反日はその不満そらしが最大の目的であって、それは中国の軍事費も外向けのものよりも内部的な治安維持費の方が多いことからも理解できる。

さて、三国志の時代とは異なり飢饉に喘いでいる訳ではないものの、それでも農民の生活が楽な訳でもない。結果的に貧富の差が大きくなりすぎたり、圧政を許容できないものと感じれば民衆は蜂起を始める。その時の旗印として、これまで何もなく各地での不満がバラバラに噴出していたからこそまがりにりにも暴動の広がりを抑えることができたのだが、これが何らかの旗印を手に入れた時に暴動は反乱に姿を変え動きを封じ込めることが難しくなる。
今の時代は黄巾の乱が生じた時代とは背景が異なるが、それでも人々の不満が高まっていると言うことでは状況を同じにする。アラブの春もそうであるが、人々が本当に動き出すのは食べ物が無くなることにある。
さて、この不満が抑え込めるものなのか。少なくとも天安門事件と同じ措置を今の時代に採ることはできないと思うのだが。