Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

政党色ロンダリング

日本未来の党というのができたらしい(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121128/dms1211281244014-n1.htm)。私は滋賀県嘉田由紀子知事の実績をよく知らないが、ここに国民の生活が第一減税日本、反TPP・脱原発を実現する党が合流するらしいので、結局大部分は民主党を抜けた人たちが再結集しているのだなと素直に思う。政権交代を成し遂げた時より民主党は方向性がバラバラだったのだから、現民主党と分裂したのはある意味良かったのではないかと感じている。最初から一緒にやっていける団体ではなかったのだ。ひょっとすると政界引退を宣言した鳩山元総理もここに議員としてではなくとも合流するかもしれないと書こうとしたら、早速その前振りが為されていた(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121128/elc12112822360050-n1.htm)。もっとも、ここまで来れば未来の党からすればお金は欲しいができれば近寄って欲しくないところだろう。
こんな混乱も、民主党の結党の経緯が自民党を出た議員と社会党の寄せ集め(+松下政経塾)だったのだから、現民主党と方向性が違ってくるのは当然である。そしてこの再編を主導しているメンバーには社会党系の議員は見えてこない。事務局レベルの動きには注目しておきたい。

この新政党、民主党から紆余曲折(いくつもの名称)を経て新しいトップを備え付けて耳障りの良いフレーズにより見せかけてはいるものの、上記の通り基本的には民主党崩れの政党である。この程度の政党色ロンダリングに騙される人もあまりいないとは思うが、それでもマスコミの応援次第では一定の議席を獲得するであろう。ぽっと出の党首がワンイッシューで多くの議席を獲得する状況が発生するとすれば、それは日本の政治状況として非常に嘆かわしいことだと思うが、こうした状況を知りつつも多様な意見が封殺されない日本の体制は尊重したい。
もっとも、新進党を作り上げた時の細川護煕氏とではインパクトが異なるし、有能なメンバーに数もかなり劣るから小沢氏の狙う二匹目のドジョウはいないように思う。ただ、早速一部のマスコミでは持ち上げる記事が散見される(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20121128-1052760.html)。まだ「卒原発」以外に政策らしい政策も発表されていない(http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121128/plt1211281153005-n1.htm)のによくもまぁ。。とこの点では苦笑いが止まらない。
しかし、泡沫政党乱立のカオス状態よりはある程度の集積が図られて、論点が整理されるのは投票する側からすればありがたいのではないか。社会の幅広い意見を拾い集めるためには多くの政党がある方がいいのだが、逆に何かの政策を推進しようとする時にはそれがネックになる。今の日本には多様な意見を拾い上げることも重要だが、同時にそれ以上に実行する力が重要だと思っている。だとすれば、政界のガラガラポンによる体制作りもまた必要だ。
つまり、今回の集合が最後ではないと考えれば政界再編の敷居を下げるという意味でも日本未来の党の結党はある程度は評価しても良いかも知れない。ただ、それが民主党の一部が転じた姿だと言うことは私自身忘れるつもりもないし、曖昧にさせるような報道には疑問を呈するつもりである。

できることなら、今後発表されるであろう「未来」に向けての政策は夢のオンパレードにならないでいて欲しいなとは切に願いたい。

<参考>民主党離党議員の転出先整理データ
https://docs.google.com/spreadsheet/lv?key=0Al3mnZBSJEkOdF9TWkpxVk1rREVjRE12bnZSOUJ2Y0E&toomany=true#gid=0