Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

民主党のためにも罰を与えよ

選挙戦に入り、民主党首脳がネガキャンネガティブキャンペーン)に勤しんでいる。自民党政治の残滓があまりに酷く3年強の期間ではなにもできなかったと主張し始めたのである(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL160NM_W2A111C1000000/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121117-00000221-mailo-l17)。確かに、戦後自民党の長らく続いた政治が残したものは少なくないだろう。ただ、それの刷新を謳って政権交代を成し遂げたのが民主党ではないか。さすがに3年もたって未だにそれを言わざるを得ないというのは、お粗末すぎるであろう。
でも、逆に考えればわかりやすい。それは、この3年間で民主党が誇れるような成果がほとんど無いからなのである。国民に対して誇れる成果があれば、それを前面に押し立てた選挙戦が出来るはずだ。ところが、それができないと言うことは自らの無能をアピールしているに等しい。その上で、絶対的かつ具体的な能力の高さを示すのではなく、相対的かつ曖昧な印象論を選挙戦の中心に置いている。
考えても見ればこの3年強ですら、戦後60年以上の期間をかけて自民党が残した問題を越えるトラブルを残してきた民主党である。結局、他者を批判するしかできなかったという結末が、政権与党の器ではなかったということを端的に示している。

私自身、確かに政権交代前から民主党を支持できないと思っているが、それは主義主張の問題もあるもののそれ以上に根本的な政策立案・遂行能力に欠けると考えているからである。今回失敗に終わり国民は酷い目に遭わされたが、それでも民主党にとっては非常に貴重な経験を得たのも事実である。外巻きにはわからなかった政権運営という重要事項に関わることの意味が骨身に沁みたであろう。
だとすれば、最初にすべきことは単に国民に謝るだけではなく、何が問題であったのかを徹底的に議論して修正していくことではないか。当初より政権交代が終着点の選挙互助会以上の何かを作り上げることが出来なかった政党であったため、政策は迷走し深化させることが出来なかった。その場しのぎの心地よい(あるいは都合の良い)言葉を吐き続けたため政策の継続性も何もない。
なぜそうなったのかは明らかではあるが、その事実を民主党議員が噛み締めて今後の糧とすることが最初に行うべき事ではないか。それを考えたならば、選挙に落ちそうだからと脱党する議員はもはや評価に値しないし、おざなりの反省の後に未だ「ジミンガー」しか叫べない現状は憂うべきものと言えるだろう。

マスコミは良く「民主党もダメだけど、自民党も変わっていない」と本来比較できない程惨い民主党のレベルを相対化して緩和しようと躍起ではあるが、実際には「民主党はとことんダメで、自民党は変わりきれない部分も多少はあるが、既にかなり変化している」が正解だと思う。
もちろん、変わったから良いとは限らない。ただ、自民党の何が変わっていないのかを明らかにせず、それは本当に変わる必要のあるものかどうかの議論もなしに印象操作を続けても、もはや騙される人は多くはない。
実を言えば、今後見られるであろう惨敗は本来民主党の経験として本当に価値があるものだと私は思う。単なる批判政党から批判のための批判にたいした意味がないことを知り、政権のうまみではなく政権の重みを知る最高の機会を3年強とはいえ得たのだから、その反省を真摯に行ってもらいたい。
だとすると、選挙戦のためとは言え「ジミンガー」しか発することが出来ない自分たちの能力の低さを裏ではきちんと反省してもらいたいものである。そして、マスコミが本当に民主党を成長させたいと思うのであれば、ここで甘やかすのは彼らの変化を妨げることになると知るべきであろう。