Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

民主党の墓碑

民主党の安住幹事長代行が、「日本を変な方向に行かせない。何としても政権維持する」と語気を強めたよう(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121027/k10013065081000.html)ではあるが、現実には民主党というコンテンツは既に旬を過ぎたもの(所謂「オワコン」)という認識が一般的であろう。
それもあってか、ここのところの「おまゆう(お前が言うな)」的な発言が一種の軽いギャグのようにネットでは語られている。上記の安住幹事長代行の発言も「そもそも民主党が日本を迷走させている」と考える人からすれば、まさしく「おまゆう」に値するのである。

考えてみれば最初からそうではあったが、特に最近の民主党幹部の発言には失笑を禁じ得ないほどレベルの低い開き直り発言が多い。既に3年も政権の座にいるというのに未だに野党である自民党に責任を押しつけるなど、開いた口がふさがらないのだ。確かに、自民党政権時代の失政も未だに禍根を残すものは少なくないだろう。ただ同時に日本の成長時代を担ってきたのも自民党政権時代であり、近年それが問題視されたのはメリットよりもデメリットが強く感じられるようになったからである。
それを是正する事を目標に掲げて政権の座についた民主党が、責任を自民党に押しつけるという事は政権交代当初ならいざ知らず、現時点では常識的に考えて恥ずかしい事である。そもそも自民党時代のおかしな点を認識していたならば、その是正策をきちんと提示して対応しておけば良いではないか。何もしないで「ジミンガー」では何を況んやである。
あるいは、「現時点での解散論は現状の経済対策等に空白が出来る」(http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY201210260304.html)という旨の事を岡田副総理が発言しているが、そもそも民主党政権でまともな新しい経済対策というものが打ち出されたのは見た事がないのだが、よくもまあそんな事が言えたものだなとこれも顎が外れそうである。

細かい発言を取り上げ始めると、自民党時代の数倍以上の強烈なものが見つかるであろうが、それを取り上げるのは今回のエントリの目的ではない。幸いにして、民主党政権は自分たちが生み出したと自負するいくつかの新聞等メディアの介護もあって、過度の問題発言キャンペーンを張られる事もない。
私からすれば、最も反省すべきは自らの主張やイデオロギーに添う政権を作り上げながら、それが大きな失敗に終わった事が明らかであるにも関わらず、そのことを認める事が出来ないメディア(http://mainichi.jp/opinion/news/20121029k0000m070144000c.html)にこそもっとも重い罪があると思うが、それは同時に大部分の民主党の政治家達(一部には能力のある人たちもいる)に何の期待も抱いていないという事でもある。せいぜいは、娯楽としての政局の役者として華々しく散ってもらいたいという程度の期待がないわけではないが。

そう考えるとき、「おたかさん」旋風で一時的に躍進しその後消えてしまった社会党のような末路が待っているであろう今後の民主党の、墓標的なものにどのような言葉を刻むのが適当なのかという事については考えてしまう。
当然の事ではあるが、反面教師として何が問題だったのかという事を強く国民の心に刻まなければならないし、せめてはこれから沈み行く泥舟をネズミのように這い出す人たちに贈る言葉としたい。

「自らまで騙さなければ成立しない理想は、路地裏で語ってこそ意味がある。」