Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

車内センサの充実

京都で痛ましい事故が立て続けに発生した。まずは、被害に遭われた方々のご冥福をお祈りしたい。
最初の事故を受けて、てんかんに対する世の中の目は間違いなく厳しくなるであろう。事故の状況については今後の事故調査によりある程度は明らかにされるであろうが、なぜアクセルを踏み続けることになったのかの明確な理由が解明されるかどうかはわからない。単純な意識喪失であれば、本来アクセルを緩めると想定しがちである。あるいは、体が硬直してしまったというのもあるかもしれない。

慢性疾患による交通事故の増加の可能性・・・それは、当然てんかん以外にも事故を引き起こす可能性のある病気はいろいろと考えられる。もちろんしっかりとした自己管理ができているれば事故が生じるような事態になるわけではないと私も思う。ただ、現実の生活においては無理をしなければならない時も少なからず存在するであろう。その時に意識を失ったり朦朧としてしまうことになれば飛躍的に事故の確率は上昇する。ただし、同様のことは健康体であっても飲酒や居眠りにより引き起こされる。

2番目の事故はまさに居眠り運転により引き起こされた。そもそも無免許であったことからして許されるべきことではない。今回の事故は多くの子供を巻き込んだことから大事になっているが、現実に居眠り運転が原因となる人身事故は少なくないだろう。飲酒の取り締まりが厳しくなっていることもあり、一時と比較して大幅に減少していることを考えると、より大きな事故に至る危険性の高い居眠り運転ができないようにするようなシステムを自動車に組み込めないものかと思う。
てんかんの場合もそうであるが、意識を失った、あるいは身体の制御が効かなくなった時点で自動車が自動的に停止する(あるいは減速する)ような仕組みを組み込めないかと言うことである。それを心拍数や視線の動きなどから判断する方法もあるだろうし、他にも様々な行動などで判断することも不可能ではない。
まず最初に身体状況がおかしなことを早期に警告し、休憩などの予防措置をとるように促す。その後も継続して運転を続けた場合にはエンジンの停止も含めて、自動車が暴走しない仕組みを作る。

おそらく日本の技術力を考えれば不可能な話どころか、容易に実現できるであろう。現状でもエアコンなどのセンサーは非常に緻密で検知能力も高いではないか。研究実験などは必要であるものの、困難きわまりないとはやはり思えない。もちろん故意の操作を防げるものではないのだが、意識喪失などは飲酒・居眠り・病気など様々な可能性がある訳なので、対策を練る意義はあるだろう。
それに反対するのは価格が上昇してしまうことを気にする自動車業界であろうが、エコカーの替わりにセイフカー補助金などを出せば対応が可能だろうし、むしろ現状の政府が無策である経済対策としての意味も再び出よう。その上で、ふいの眠気や病気に対する備えとして運転者側にも保険的なメリットがあるように感じられる。少なくとも装着車の保険料が引き下げられてもいいようにも思うのだ。

ちなみにITS(自動運転システム)についてはかなり前から研究が続けられているが、現状においてはあくまで高速道路などの専用レーンでの想定のようである。Googleが開発に参加している自動運転が実用化間近だとの報道もあるようだ(http://www.field-pr.net/news_aCVIAi5hBK.html)。もっとも、一般車が一般道でそれを実現できるには技術面・費用面・法制度面などまだまだクリアしなければならない点も多いし、近年の全面的な移行は考えにくい。まずはできるところから始めて欲しい。

「自動車は既に社会におけるシステムの一つを担っている。特定の病気や個人の資質に大きく影響されないような品質向上は社会責任であろう。」