韓国国債購入、負い目か錯乱か

安住財務大臣が、どうも韓国の国債を買うなどと訳のわからない発言をしている模様である。しかも、ウォン建てだと報道されている。一体誰が主導してそんな損しかあり得ないような行動に出るのかがわからない。
元々、民主党の政策には意味がわからないものがいろいろとあったが、これは極めつけのような気がする。もしやむを得ず資金を貸すのであったとしても、通貨既にスワップの仕組みがある。更に譲って国債を買う形で拠出するとしてもドル建て若しくは日本円建てが基本であろう。もっとも、そもそも韓国の国債を買うということは日本が利潤を得るためなどではなくて、純粋に韓国政府の救済しかあり得ない。
日本企業が韓国との取引をしているため、その保護のために韓国経済を支えようという動きは確かにこれまでもあった。それが通貨スワップなどでもあるのだが、それは本来日本企業を保護するものであって韓国経済を保護するものではない。
報道ではアジアへの金融危機の広がりを抑える一環だと言うが、これも国債購入などの必要性はない。別の方法（例えば、通貨スワップや基金）などで十分対応できるのである。ましてや、アジアへの広がりを防ぐために国債購入が仮に有効であると仮定しても、その場合に韓国の国債のみを購入する理由にもなり得ない。

ここのところの新聞では韓国の景気が良くて日本が駄目だとの報道がよく見られるが、では韓国経済は好調なのか？もちろんそんなことはない。サムソン他のごく一部の企業のみが好調なだけであって、中小企業や一般国民は非常に苦しい生活に立たされている。
確かに日本企業がサムソンなどに苦杯をなめさせられているのは事実であるが、それは第一に為替の問題が非常に大きなウエイトを占めている。リーマンショック後、韓国ウォンはドルに対して大きく下げ、一方の円は大きく上げている。その結果、円とウォンの関係はウォンが半分近くに下がっている(現状は少しだけ戻している)。これの通貨安政策は韓国政府の方針とも言われているが、韓国自身はそれを認めない。もちろん、認めれば為替操作国の非難を受けてしまうのでそんなことをするはずもない。
その軸はぶれることなく、EUに続きアメリカともFTAを結んだ。これは、実質的に韓国は内需に期待できないので徹底的な外需により国を建てていくと言うことであり、同時にその貿易により輸出企業が大きく儲け、国民は生活苦を我慢するという流れでもある。国民の生活苦は、並行して進める国民の所得を向上することでカバーしようと考えているのだろうが、そう上手く行くとは私には思えない。

さて、このような道を進んだのは韓国の方針である。その結果出てくる問題は、道を選択した結果のものなので他国に救済を依頼するのは本来筋が違う。実質的に今日本がしているのは、さんざん勝手な行動による迷惑を掛けられた相手に、苦しそうだから援助を与えようかという博愛精神に満ちた行動なのである（棒）。
基本的に、韓国は日本のシェアを喰うことで世界的な進出をしてきたライバルになろうとしている国である。ライバルに塩を送るのは日本の伝統かも知れないが、塩どころか金まで送ろうというのだから笑い事ではない。日本政府がすべきことは、韓国経済の変調を感じたならば企業に対して韓国から早期に脱出するように警告を送り、その待避についてのサポートをすることではないだろうか。少なくとも、日本企業を救うために日本企業を保護することには意味があるが、日本企業などを守るために韓国政府にサポートする必然性など何処にもないのである。

韓国経済が再び破綻への道を歩んでいるのでれば、それは基本的に彼らの選択によるものでありその責任を日本が共同で追う必要など全く無い。また、韓国が疲弊した時に中国の影響下に入らないようにと言う冷戦時の力関係も今ではそこまで大きなウエイトではない。
なぜ、現在の政権がそこまで韓国政府を救済しようとするのかが、私には理解できないのである。少なくとも捨てるつもりであってもお金を拠出するのであれば、日本海呼称問題や竹島問題なども好き勝手させることなどあり得ない。
これは、ユーロへの援助とも同じ構図でもある。政府は無能なのだろうか。少なくとも官僚はある程度有能であっても、民主党政権の閣僚が無能なのは身にしみてわかっている。いい加減この罰ゲームは長すぎる。マスコミは以前のように政権交代のキャンペーンを張って、早々に終わりを迎えさせてもらいたいものである。

「無能すぎる閣僚は日本の国益を本当に毀損する。」