Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

5月21日の金環食

さて、今年の5月21日の早朝に日本全国で日食が観測できるが、一部の都市では金環食を見ることが出来る(国立天文台http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/about.html)。皆既日食が日本の本州で観測できるのは2035年であるが、金環食は2030年にも北海道で観測できる。

日食とは、月が太陽と同じ軸線上に位置することで太陽を覆い隠す現象であるが、その時の月と太陽の位置関係により月が地球に近ければ皆既食(皆既日食)を引き起こし、やや遠ければ太陽の輪郭よりも月が小さくなるため金環食となる。

今回5月21日に金環食を見ることが出来る範囲は本州や四国の数多くに及び、特にその中心線は鹿児島、和歌山、静岡、神奈川、東京、千葉などの都道府県の一部を通過する。東京では場所にもよるがおよそ5分間ほど金環食を観測可能である。ちなみに、基本的に早朝であって鹿児島では6時頃から日食が始まり、東京で金環食が観測できるのは7時30分頃である。
天候さえ良ければ、高度は低いものの朝少し早く(人によってはいつも通り)起きてよい観測地点を選ぶことでこの珍しいスペクタクルを楽しむことができるだろう。

ただし、観測には注意点が存在する。まず、皆既日食ではないので観測において裸眼で直視無いことは必須である。また、サングラスや色の付いた下敷きなども全てが十分に紫外線をシャットアウトできるものではないので、基本的には日食観測専用のサングラスや遮光板を用いるようにしなければならない。感覚的には大丈夫に感じても、一般的なサングラスなどは直射日光を防ぐほど効果が高いものではないのだから(日食観測が可能な下敷きなどもあるが、効果のほどがわからない場合にはそれを用いるのではなく新たに太陽観測に適しているとするものを手に入れて使う方が良い)。
あるいはピンホール(小さな穴)を用いて太陽の形を観測することや、鏡で太陽の光を反射させてその影の形を観測することは比較的容易に誰でもできる。

月も太陽も東から昇り西に沈むため、地球から見た時にほぼ同じ軌道を通っているように感じられるが現実は必ずしもそうではない。日食は太陽の軌道(黄道)と月の軌道(白道)が交差する時に生じるが、普段はこの両者の起動が約5°ほどずれているため毎日発生する訳ではないのである。
それでも、地球全体で見れば年に2〜4回ほど発生すると言われている。観測ポイントは問題は両者の軌道の交差時期がいつ頃になり、それが観測できる地点に陸地があるかどうかで決まる。
世界中で考えれば、ほぼ年に一度はどこかで皆既日食を観測することが可能である。

「遠い昔には、この日食が多くの想像力を培い人間社会に何らかの影響を及ぼしたのだと考えると、感慨深いものである。」