Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

野田総理は姑息だ

前から言われていたことではあるが、予想通りG20野田総理増税国際公約した。
特に、演説で言うだけではなく合意文書に盛り込むとの話もある。
こうした国民や国会の議論を全く経ずに勝手に国際公約するパターンは、実を言えば民主党になってから始まった。
ぽっぽこと鳩山元総理は、CO2削減25%を国民的議論すらなく国際公約した。
バカンこと菅前総理は、自然エネルギー30%とぶち上げた。
そして、次のドジョウこと野田総理増税を国際会議で公表した。
そのいずれにしても、国会での議論すら行っていない状態でのことだ。

将来的に増税が必要なことは私も理解する。
しかし、それは今であってはならないと考える。増税よりは内需拡大が優先だ。
そもそも、本来総理大臣とは国民の信任を経て行政を司る地位である。
さて、国民は増税について総理に付託したのであろうか?
実際、菅前総理も野田総理も国民の審判など受けていないではないか。

勝手に国際公約しておいて、それを正当化するために解散総選挙増税が成立した後に行うと言う。
政権に就く前の民主党の公約は、次の総選挙までは増税議論をしない。そして増税するときは国民の信を問うであった。
その信を問う時期は増税の法案を通して施行前などであろうはずもない。増税を法案として提出前に決まっている。
法律を通過させていれば、信を問うて敗れた場合国会を通過した法案を廃止するための法案を通さなければならない。
常識で考えてそんなことはあり得ない。撤回不可能な状態において信を問うなど、意味がないではないか。

正直なところを言えば、私は野田総理は鳩山菅よりはまだマシだと思っていた。
あの二人を超えるとんでも総理などそうそう現れるはずもないと思うではないか。
しかし、ここのところの動きを見ていると明らかにおかしい。
本来国会ですべき議論をのらりくらりとかわして、勝手に国際公約をする。
それが国民に否定されたときの責任を誰が取るというのだ?
ねじれ国会を打破する方法として、外国の圧力を利用しようというものである。
それは戦略としては無いものではない。しかし、あくまで国民世論の強い後押しがあっての話である。
野党が民意に背いて不毛な政治闘争をしているのであれば、国民の支持の下で公約をぶち上げると言うこともあろう。

しかし、今の敵は誰なのだ?
民主党内部でも多くの議員が反対している。
そもそも増税をする理由は、日本経済の立て直しではない。
景気回復でもない。そのための処方箋すら提示されていない。
TPPをそのためにと言った議論もないわけではないが、そもそもTPPにより内需が活性化するはずもない。
輸出にメリットがあっても内需を痛めつける施策なのだから。
そこに増税を加えれば、日本経済が今よりも冷え込むのは火を見るまでもなく明らかである。

日本経済を立て直すための論議など全くない。
社会保障と税の一体改革の議論も何も進んでいない。
TPPのメリットとデメリットおよび、TPPで何を守るのか、何を得るのかについても語らない。
これでは、行き先不明の乗り合いバスに「乗れ」と言われているようなものである。
どこに停車するのか、どこに行き着くのか、そしてそもそも途中下車ができるのか?
全く不明であって、その上いくらの乗車料を請求されるのかも不明。

総理大臣は、まず何を目指しているのかを国民に「具体的に」語りかけるべきではないか。
イメージ論などどうでもよい。それはもはや前の二人のバカ総理の時にさんざん聞かされた。
そのイメージに何の意味もないこともよく理解した。
その上での意味のない虚飾の言葉などもはや必要ない。

世界に語るよりもまずは国民に語るべきであろう。

「外国の虎の威を借る狐ではなく、外国に対して羊の皮を被った狼であって欲しいものである。」