児童ポルノ問題に関する個人的な意見

まず、私は個人として児童ポルノに興味がないので、その蔓延がどの程度かは正直把握していない。とは言え、健全な中年である私も性的な興味が枯渇してしまったわけではない。

さて、小児性愛（ペドフィリア）という特異な性癖は、歴史的にも非常に古くから存在しており、また世界的にも問題視されている。
余談ではあるが、ネット上でよく用いられるクマーというAA（アスキーアート）がある。

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これは、海外の掲示板で児童ポルノへのリンクに用いられたため、「ペドベアー」と呼ばれて欧米では社会的に嫌悪される存在となっているケースもあるようだ。
キャラクターはともかくとして、欧米では児童ポルノに関する拒否反応は日本よりかなり強い。

歴史的な経緯や宗教上の問題もあるのだろうが、日本の場合小児男児愛は戦国時代以前も非常に一般的なものであった（織田信長における森蘭丸など）ということなども拒否反応の差異に影響しているのかもしれない。キリスト教では、ギリシャ時代などでは一般的であった少年愛（パイドピリア）がかなり否定的な意味で捉えられていたことがあるのだろう。

また、社会的危機感という意味でも多少異なるかもしれない。
日本ではインターネットが発達する前には、一部に潜在的に存在していたのだろうが、あまりこうした小児性愛が顕在することはなかった、いや少なかった。いたずらというレベルでは捉えられても、それがエスカレートするケースが少なかったためではないだろうか。
一方で、欧米では古くからかなりエスカレートしたケースも見られ、社会的な危機感がその規制の強さに影響している可能性もあると思われる。

さらに言えば、欧米では宗教的にこうした存在がかなり抑圧されてきたために、一部で過激な行動を生み出しているのかもしれない（日本は寛容だったからこそ暴走しにくかった）。
これは、強姦などの発生確率が日本でかなり低いということと同列に、日本人特有の理由もあるかもしれないので断言はできないのだが。

社会アンケートでも、アメリカでは成人男性の約25%が小児に対して性的魅力を感じているという報告もあり、一方で日本の場合は調査方法が異なるがそれが5%未満の数値のようである。

さてこれらの状況を理解した上で、まず児童性愛の感情を抱く人は社会的には一定数必ず存在するということを考えておかなければならないであろう。これの根絶は不可能である。
もちろん、感情を抱いても実行しないのが大部分というのは他の犯罪と同じであるため、一定数とは言っても数は少ないであろう。でも、潜在化してもいなくなることはあり得ない。

欧米では、社会的に僅かでも児童愛の人間が存在することが許容できないという態度のように見える。だからこそ、余計に強行に取り扱うのであろう。

もちろん、幼い子供を性癖の対象として扱う行為が社会的に容認されるはずもない。
とりあえずは根絶は不可能という視点に立って、その上でそういう性癖の人の人権を著しく毀損しない中で、社会が容認できる規制方法というものを考えなければならないのであろう。

ちなみに、この問題を取り上げるときに必ず出てくるのが、東京都の規制条例ではないかと思う。
これに対しては、私の意見は原則賛成である。
理由は、書籍系は規制されても18禁として発行が許されるため、あくまで販売に困難性が伴うレベルなのだと言うことがある。全くできないわけではないのだ。
そのような趣味を持つ人が、こうした書籍を(18歳以上なら）入手できる道を閉ざしてはいない。
あくまで、あまりに氾濫しているのでそれを抑制しようというものだと考えている。

もちろん、規制のレベルをどのように定めるのかという難しい問題はあるのだが、規制が難しいからと言って完全な自由しか認めないというのはおかしいのではないだろうか。

ただこうした雑誌が、実際の行為(小児性犯罪）に及ぶのを抑えている効果があるのではないかという意見には、根拠を持ち合わせていないものの感覚的には同意できる気がしている。

とりあえず、今ネット上で氾濫している児童ポルノの一番の問題は、それを商売にしている人が少なからずいて、商売の道具として児童ポルノが利用されていると言うことであろう。
まずは、それを商売とするものに対して厳罰を与えることを一番に考えてほしいと思う。

少し前にも、自分の子供をそのように扱った親がいたのが報道されていた。まさに商売として我が子を利用している訳だ。
これが厳罰だと言うことを明確にしてほしいなと個人的には思う。
あとは、子供のプライバシー確保ということで、児童ポルノ写真などの保有に対する厳罰も必要だろう。

本来は業界の自主規制により、国民が妥当だと思うレベルにまでポルノの露出が控えられるのが最も望ましい。しかし、常識は変化する。
もう少し大丈夫だろうと、営業上の理由でそれを広げてきた結果生じた問題だとすれば、自主的な規制をどこまで信用できるかは微妙でもある。
ただ、ではどの程度の規制が妥当であるかを判断するのは、個人的にはなかなか難しい問題ないかとも感じている。

「自由は責任を伴い、規制を受け入れることは責任を制度に負わせる手段である。自由のみを主張して責任を負わないものの存在が、規制を呼び寄せる。」