Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

信頼の醸成

恋愛関係における信頼を形作る要素としては2つが考えられる。

まず最初の要素としては、揺るがないことではないかと思う。
もちろん、それは恋愛には留まらずに全ての人間関係にも言えることだ。
コロコロと意見を変えない。自らの意見をしっかりと持つ。

相手の考えが変わらないと知っていれば、パートナーも取るべき道はわかりやすい。
それが安心感を醸成する。
ただし、それはあくまで自分の考えを主体に考えていると言うことでもある。
すなわち、その考えが正しければ問題はないが、仮に誤っている場合は単なる頑固者になってしまう。その考えを翻らせるためには、パートナーにはとんでもない努力が必要となる。

もう一つの要素は、配慮である。
パートナーのことを考える気持ち。
相手からすればいつも自分のことを考えてくれていると思うからこそ安心できる。
それは恋愛心として考えていると言うことに留まらない。
二人の関係にとって何を選択するのか良いかを考えていると言うことである。

常に、相手の考えや状況を主体に考えていると言うことでもある。
そのことを知っていれば、パートナーは相手が悪い選択をしないという安心感が得られる。


この両者は両立することもあるものの、対立することも多い。
二人が同じ方向を向いているときには、両者は並立し、信頼感をより深める。
しかし、二人の意見が食い違うとき、両者は対立し信頼は損なわれることがある。

恋愛は生まれ育った環境も価値観も異なる二人の関係性である。
だから、二人の意見が常に一致するということはない。

お互いに、自分の信念を持ち同時に相手に配慮する。
相手のそれを感じながら、それぞれは自分なりの信頼を抱く。
それがバランスの取れた相互関係であれば理想的なのは言うまでもない。
あるいは片方が妄信的な信頼心を抱くことででも、この関係は維持しうる。
問題は両者がそれを失ったとき。

そこに至る過程は、おそらく片方の信頼感が若干失われ、次には他方の信頼感が失われ、、、と言ったことを繰り返して進行していく。不信の振幅が拡大していくのだ。
その不信感は表に出ることはあまりない。仮に表に出れば、それを収縮する側に働くこともあるが、それを広げる側に働くこともあろう。
ただ、少なくとも状況を認識することは出来る。

もちろん、お互いに多少に不信を抱いたときには、相手の状況を観察するようにもなる。
そこには信頼感がかけ始めているからである。
観察は、微妙な機微を伝えて軽く状況の認識を深める。

この状況を回避するのは、どちらかがまず相手を信じることをするしかない。
それは妄信的な信頼のままで終わるかもしれない。
しかし、一度芽生えた不信感から回復するには必要なことであろう。

もっとも、人間は忘れるあるいは無視するという行為でそれを代替することがある。
効果は限定的であろうが、それでも現状維持には意味がある。

「信じよ。さすれば救われる。ただし、最後まで信じた場合に限る。」