Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

MERSと嘘

 韓国でMERS(http://ja.wikipedia.org/wiki/MERS%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9)パニックが起こりつつある(http://news.yahoo.co.jp/pickup/6163260)。政府は沈静化に必死であるが、現状ではどの程度の広がりを見せるかは予断を許さない。もちろんきちんとした封じ込めができれば、感染拡大は十分防ぐことのできる病気ではあるが、危険であることには間違いがない。
 日本も、人的交流が大きいだけに発生が確認されてからでは後手に回る懸念は拭えないが、このあたりは日本政府の迅速な対応に期待したい。

 さて、韓国のネットでは全てを為政者の責任に転嫁するような呪術的な言動まで見せ始めている(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150611-00000005-rcdc-cn)が、今回の最大の問題は政府保健衛生当局の甘い認識もあるものの、何より感染者達が嘘を吐いて適切な対策が講じられなかったことが大きいように思える。
 いくつかの事例を見ると、最初の感染者がサウジアラビア訪問をしなかったと偽り病院に入院→感染拡大。その他にも、感染が広がっている病院に行ったことを隠したり、あるいは感染可能性があるにも関わらずそれを黙って外出したり等、いろいろと問題がありそうだ(http://ameblo.jp/sincerelee/entry-12037638205.html)。
 患者や感染の可能性のある要隔離者がそのことを虚偽親告すれば、実質的には政府当局に打てる手はないに等しい。確かに当初対応のまずさは政府にもあったかも知れないが、その後の広がりはむしろ韓国社会の有する嘘に対する抵抗感の低さが影響しているように思う。

 これは正直言って看過しがたい問題であり、嘘を吐くから強制隔離を図ろうとすると逆に全く危険性のある人を多く隔離する(社会的負荷を追わせる)事に繋がる。その噂が広がれば、更に逃げようとする人が増えて悪循環が続くことになる。
 嘘を吐かない方が良いと感じるには2つがあり、一つはきちんと治療を受けた方がメリットがあると認識することであり、もう一つは正しい申告をしなければ不利になると認識する場合である。前者の方が良いことは間違いないが、国民が政府を信用していないほどに後者の方が効果的になる。
 現状、韓国政府は緩やかな前者(特と言うほどではないが、正しい申告を誘導)の対策を取っているようだが、今以上に広がりを見せれば我慢しきれずに後者という下策を採ってしまうかも知れない。現在でもネッtの情報で不確かなものではあるが、感染経路を検証しようのないところでの発生が報告されているという話もある。

 パンデミックが生じる危険性は、正直なところを言えばそれほど高くはないと思うが、MERSが韓国国内に定着してしまえば非常に大きな問題となる。貿易や経済・文化交流は大きく落ち込むであろう(現時点でも既に影響はかなり出ていると思う)。
 ただ、これが国民性そのものであるとすれば、正直言ってどのような対策が打ているのかは考えつかない。それを見る上で、今回の対応はよいリトマス試験紙になるのかも知れない。