Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

次世代の党の敗北が意味すること

 自民党公明党が連続で圧勝した衆議院選挙ではあるが、その陰で次世代の党(旧たちあがれ日本〜太陽の党〜維新の党〜:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A1%E4%B8%96%E4%BB%A3%E3%81%AE%E5%85%9A)が壊滅的に議席を減らした件を無視することはできないであろう。石原慎太郎氏や平沼赳夫氏という政界の重鎮を擁し新保守を標榜する姿勢ではあったが、石原旋風が吹き荒れることはなかった。
 次世代の党が大きく勢力を失った理由については、評論家の古谷経衡氏が次の通り分析している。
総選挙「唯一の敗者」とは?「次世代の党」壊滅の意味とその分析(http://blogos.com/article/101309/

 若干意見を異にする部分もあるが、数値的な分析内容を中心に頷ける部分も非常に多い。今回次世代の党は選挙戦略を根本的に間違った。保守本流としての姿勢よりも短期的にわかりやすい先鋭的な姿勢を全面的に掲げたようだが、それをリアルに支持する人の数は決して多くはなかったことは結果が示している。
 実際に中国や韓国に対する嫌悪感を抱く人は少なからず存在するだろうが、それが多くの国民にとっての全ての意見ではないということある。例えば、西村氏や田母神氏の主張に一面で同意する者はいても、全面的に信頼を抱くものは少ないということだ。要するにバランスを欠いていたということである。
 石原慎太郎氏なども中国や韓国には強硬な路線ではあったが、それが全てではなく他の分野に対する幅広い考えを持っていた。維新の会も当初は橋下氏のキャラクターもあって自民党よりも右を標榜するような気配もあったが、現実には自民党民主党の間を行くようになったのは象徴的でもある。
 加えて、現在の自民党党首の安倍総理が比較的自民党内では右派と目されている(私は中道だと思うが)というのも関係しているだろう。穏健派の総理であれったならばもう少し次世代の党は獲得票を伸ばしていたのではないだろうか。自民党内の一派閥であったならば許容されたことも、一政党となれば許容されないという事が良くわかったのではないだろうか。

 ちなみに票の流れのみを考えれば、前回次世代の党が得ていた票が今回自民党に流れ自民党が得ていた票が別のところに同じ程度流れたと見ることもできよう。本来減ってもおかしくない自民党の獲得議席数が大きく変わることなく維持できたが、結果論としてマスコミの自民圧勝報道作戦のあおりを食ったのが次世代の党だと言えないこともない。
 だからと言って、今回の次世代の党の惨敗が右派の存在を民意が完全に否定した訳では無いだろう。繰り返しになるが、自民党がよりリベラル的な方向を向けばまた必要とされるであろうし、そもそも選挙戦用の底の浅い主張ばかりが広まっている状況では政党としての活動の方向が全く見えない(民主党よりはわかりやすかったが、基礎的な組織票のレベルが違う)。
 上記のリンクでも古谷経衡氏が書いているように、今回は様子見というところがかなりあるのではないかと思う。この判断はよく理解できるし、結果としての議席数の多少に異論もあるとしても日本人は全体として間違っていないと個人的には思う。

 さて私なりの分析は以上であるが、雑談であるが故の怪しい議論も紹介しておこう。まず、以下に呈される疑念の全てが選挙結果を決定的に変えるものとは思っていない。ただ、万が一選挙集計における小さな不正が蔓延していたのだとすれば、一票の格差どころではない選挙に対する問題点が浮かび上がる可能性を秘めている。
 だからという訳ではないが、いくつかの報道を受けて今後は監視の目が強くなると思う。特に次回の参議院選挙は、与党が衆参双方の2/3を得ることになるかどうかの瀬戸際でもあり、不正が生まれる土壌があると考える方が自然であろう。ただし、開票に関しては各政党関係者(立会人)が立ち会うため、露骨なことをすれば間違いなく異議が可能である。容易に不正がまかり通るほど適当なシステムではないことは知っておきたい。

次世代票を共産票に誤集計 京都・伏見区http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141215/k10013977691000.html
 選挙開票集計において、次世代の党が獲得した1500票を共産党に振り合分けたというものである。選挙管理委員会は担当者の集計ミスだとするが、故意だったのかミスだったのかを証明する術はない。他にも次のような報道も出てきた。数が少なければ全体に与える影響はほとんどないだろうが、予想以上に細かな対処が比較的自由な現場の裁量に任されていると言った感じを受けた。
比例票「日本」、共産に 秋田・大館市選管「他に該当政党ない」(http://www.sankei.com/politics/news/141215/plt1412150192-n1.html

 このあたりの話がニュースとして出てくるのは、前回の参議院選挙において高松選挙区で白票水増しと一部の得票遺棄が行われたことがあり(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E9%81%B8%E7%99%BD%E7%A5%A8%E6%B0%B4%E5%A2%97%E3%81%97%E4%BA%8B%E4%BB%B6)、このケースでは最終的に刑事事件に発展したことが理由としてある。
 また前回の衆議院選挙でも国分寺市で不正な操作が行われていたのではないかとする内容を書いたブログ(http://ameblo.jp/pepsicoara/entry-11435812914.html)も見かけた。真偽は不明であり、私として今からそれを確認する手段はないのであくまでこのような疑念が呈されているとの紹介のみとする。
 あるいは次のような疑問を書いているところもある(沖縄知事選の深い闇を暴く 第一弾:http://blogs.yahoo.co.jp/nothigcat2000/26489871.html)。沖縄知事選挙の当選者が獲得した票数が毎回あまりに一致し過ぎているという疑問である(https://docs.google.com/spreadsheets/d/1us-p1HYZ00lSGw6h1kLSZnd4FWDxgj6VPGzxjmykDEo/edit?pli=1#gid=0)。ただ、これも疑問レベルに過ぎないことは念を押しておきたい。

 兎にも角にも、ネット上では今回の衆議院選挙の得票集計に対する疑念の声が上がりつつあるようだ。疑念がリベラル・左派系の票数が少なくカウントされているものであれば、マスコミを上げての問題追及となったであろうが、自民党や次世代の党であるということで流されていることは何とも言えぬ笑いがこみあげてくる。
 確かに、偶然のミスではない事例があることが高松の事件では明らかにされており、場合によっては日本中でこうした組織的な票操作が行われてきたのではないかという疑いを持っても不思議ではない。そんなこんなで、一部では再集計を求める声もあるが実現する可能性は高くないだろう。
 それでも、少なくとも疑問の声が広がるだけでも小さな不正に対する抑止力としては一定の力を持つことになる。できることなら全国的な疑惑に広がらないことを祈りたい。

(12/17追記)
こんな動画があった。証言が本当かどうかは確かめようがないが、もし仮に事実であれば由々しき事態と言って良いのではないか。
https://www.youtube.com/watch?v=ax0Lp5JwbcQ