Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

Leave Korea

 明けましておめでとうございます。本年も、よろしくお願い申し上げます。

 さて、今日本は表に裏に韓国を見捨てようとしている。韓国を利用して利益を上げている欧米は、同時にいざと言うときの処理を押し付けたいために日本の動きをけん制しようとするし、責任を問われたくない日本政府も露骨にそれを態度に出すことはないが、それでも現状を見る限りにおいて徐々に徐々に状況は進行している。韓国は、為政者の面子もあって露骨に日本に援助を求められない状況が続いており、結果的には日本を貶める(国際世論を利用する)方法でしか日本から援助(資本と信用)を受ける術がない。
 これまでは、共産主義への防波堤としての機能が重要視されてきたことから、韓国を西側陣営にとどめることを念頭に様々な援助がおこなわれてきたが、それでも中国の資本主義へのシフトなどの情勢変化もあって日本にとっては韓国の戦略的な価値はかなり落ちていた。惰性という訳ではないだろうが、それでも過去の経緯から様々な協力は続けられていたが、韓国の恩を仇で返すやり方がいよいよ看過できないところまで達したという感じがある。

 日本のメディアは靖国参拝反対の声一色であるが、おそらく国民の声とは乖離が始まっている。全ての国民が支持していると言うつもりはないが、逆に多くの国民が反対している訳でもない。むしろ、なぜこれほど些細なことが国交を断絶するとまで言わしめるような議論の中心となっているのかが不思議に思えるのではないか。
 歴史カードは韓国にとってこれまで対日本のオールマイティカードであったが、同時に機能制限付きの道具でもある。あくまで相手国の善意を期待する手段であったので、相手国から反発を受けると途端にその効力が減少してしまう。要するに力の按配が非常に繊細なカードであった訳である。
 日本との国力の差があった時代には、その差故にカードは外交上節制された利用をされ続けてきた。これは意図的なものでは無いかもしれないが、韓国にとっては理想的な状況であったとも言える。莫大な開発費用と時間を必要とする先進技術を友好という言葉と引き替えに手に入れることができたからである。
 そして一定の力を得た後は円高ウォン安という状況を作り出し、一気に日本凌駕を企図したのかも知れない。もちろんそこには日本政府の無策に加え大企業病に罹患した日本企業の甘えの部分も加わり、彼らの成功を加速させた。現実にはIMF管理下後の韓国の主要企業の株式を欧米に握られており、韓国企業の上げる利益の一部は欧米の利益と変わらない訳ではあるが、それでも主要企業の成長は国威を発揚させてきた。日本を超えた論が韓国内のメディアに踊っていたのはまさにこの時であった。彼らにとっては、自国の力を向上させて結果的に日本を超えるのではなく、日本の国力を引き下げてでも日本を超えることが目的となり、歪んだ形での競争が正当化されてしまっている。

 こうした状況により伝家の宝刀であった歴史カードの位置づけがおそらく韓国の中で変化した。日本からの技術を移転させるための意味が大きく低下し、実態的にはまだ超えていない日本をどんな形であっても超えることが目的とされた。元々、日本とほとんど同じ産業構造を持っているため国際貿易において日本は敵(ライバルとも言う)である。日本と韓国が産業的に共存するためには業種が被らないことを必須とするが、日本からの技術移転により主要産業が生み出された韓国では構造が酷似しており、日本に打ち勝つ他は発展の余地がない。
 歴史カードは、日本からの技術や資本援助を求める道具から日本そのものを貶める道具へと変化した。逆に言えば、この変化は日本に勝てる(であろう)という予測の下に訪れたものだとも考えられる。確かに、日本政府(日銀)による金融緩和がなければ部分的には成し遂げられたかも知れない。
 しかし情勢は変化した。高すぎた円が是正され、日本企業の体力が若干ではあるが回復したことで韓国企業による席巻は困難になってしまった。元々、日本が円高に苦しみ韓国が輸出企業への集中投資をして得られていた有利であるのだから、状況が変化すれば取るべき手法は変化すべきである。しかし、日本を貶める方向に舵を切った動きは急には止められない。それが現状であろう。

 では日本はと言えば、彼らのヘイトに対して多くの国民が我慢の限界を超えつつある。こうなった理由は、上記の通り韓国(政府とマスコミ)の行動が日本を貶めることに注力していることもあるが、ネットによる情報の拡散から多くの人が韓国の実像に触れたことも大きい。これまでは単に知らなかった(興味がなかった)というだけのことでもある。しかし、国民は知ってしまった。
 かつてのネット上での嫌韓は「嫌韓論」にも代表される一部の知ってしまった者達だけのサークル活動的なものであったが、現状のそれはこれまで関心がなかった者達にまで広がっている。それを認めたくないマスコミなどは火消しに慌てふためいているが、一部の週刊誌が嫌韓的な特集を組むほどに広がってしまったものを今更消せるはずもない。
 こうした国民感情の変化は政府の行動を間違いなく後押しする。日本という国家にメリットがない行為であっても友好を楯に歴史カードをスパイスに援助してきた韓国を、少なくとも取引を秘密にはしないというレベルまで押し戻すことができたことがある。
 大部分が昨年失効した日韓の通貨スワップもそうであるし、先日のスーダン弾薬問題も構図は何も変わらない。韓国政府は自らの面子のためであれば日本の好意すら罵る(難癖をつける)。こうした行動は実のところこれまでと何も変わらないかも知れないが、それは隠されなくなり日本人の抱く印象は間違いなく韓国にとって不利になる。

 要するに、日本政府が切りたくても切れなかった韓国を切る準備が着々と整いつつあるということである。もちろん公式な対話のチャンネルは常に開かれているし、きちんとした二国間関係が築けるのであれば一部のネットで騒がれているような断交などする必要もないが、だからと言って積極的に彼らを救う必要も義理もない。
 「冷めたスープの距離」とでも言えるスタンスを取りつつある。結局のところ韓国の反日は「妬み」であり、日本の嫌韓の根源は「呆れ」である。一部では昨年IMFが実施した韓国のストレステストの結果がなかなか公表されないことを、欧米が日本に処理を押しつけようとしているためではないかと勘ぐられている。もちろんその真相は判るものでもないが、今後欧米が日中以上に日韓の対話に対するプレッシャーをかけてくるとすれば、経済問題が最も大きな事情だと考える方が腑に落ちる。
 現状において国際的には明らかに日中問題の方が日韓問題よりも格段に重要性が高い。逆に言えば日中の対話を促す必然性はあっても、日韓の対話を優先する意味はそれほど深くない。GDPが世界第2位の国家と3位の国家の諍いは大きな問題となろうが、15位の国家(http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html)のそれがどれほど意味があろうか。
 もちろん日本政府はその意図も理解しているであろう。建前上は窓口を開いておきながら、今後徐々に日本は韓国との関係を薄めていく物と考えられる。