隣人
発信箱:特ア?=布施広(専門編集委員)(http://mainichi.jp/opinion/news/20131030k0000m070110000c.html)を少し改変してみた。改変部分は太字にしており、原典はリンク参照。
ちょっと面食らった。「ヤクザとの近所づきあいは避けたい」。意見感想欄にそう書いてある。ご存じだろうか。ヤクザは正業に就かず、法に背くなどして暮らす者の総称で、具体的には暴力団員等を指す。反社会的行動も目立つ彼らを冷ややかに隔離するように、様々な場面で見る言葉だ。
今月初旬、ある大学でアンケートをさせてもらった。偏差値的には超難関の国立大だが、誤解や先入観を避けるため大学名は伏せる。回答者は約90人。調査結果を見ると、「ヤクザ」のような意見感想は例外的とはいえ、学生たちは愚連隊、特に半グレの迷惑行為に悲観的だ。「今後50年、半グレとの近所づきあいをうまくやっていけるか」との問いに「非常にうまくやっていける」と答えた人は皆無。6割以上が「関係悪化」「険悪に対立」と答えている。
また、「準暴力団規制を認めるべきだと思うか」との質問に、「思う」と答えた人は55%、「思わない」はわずか13%だった。「厳罰を認めるべきか」と聞く方が正確だが、出題ミスとも言えまい。ちなみに毎日新聞の8月の世論調査では、「思わない」が53%を占めた。タカかハトかといえば、エリートと呼ばれる学生たちはタカに近い。
なんでかな、と別の大学の男子学生に聞いたら、「学生はネットを見たりして自分の好きな情報をどんどん取り込む。だから考え方が一面的に、急進的になる傾向があるのでは?」とのこと。なるほどと感心したが、知識欲が旺盛でも一面的になるとは限らない。若者を引き付ける「話し合い派」の論客が「厳罰派」に比べて目立たず、影響力が弱いことこそ根本的な問題ではなかろうか。
ともあれ隣人は大切にしたい。厳罰派でも話し合い派でもいいが、半グレなんて悲しい言葉だ。
まあ、なんとなく書いてみた。