Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

大気汚染戦争

全土の13%、大気汚染深刻=有害物質の濃霧が覆う−中国(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013012900969
有害濃霧は日本面積の3倍!!中国、病院取材を制限(http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/01/29/kiji/K20130129005084510.html
中国政府は大気汚染対策ができるのか(http://www.newsweekjapan.jp/column/ikegami/2013/01/post-624.php
北京 4つの措置で大気汚染に対応(http://japanese.cri.cn/881/2013/01/29/181s203948.htm

すでに数多くのメディアで中国都市部の異常なまでの大気汚染についての報道がなされているが、多くは中国の問題としてのみ書いていたり、あるいは日本にも被害が及ぶという他人事にも見えるレベルの弱い主張でしかない。大気浄化システムとしての日本の技術を利用する意味では日本にとってメリットだと書くものもあるが、その前に日本がどれだけ迷惑を被っているかは明らかにしておかなければならない。
偏西風の影響により日本に飛来している中国からの有害物質がどれだけ、中国よりもたらされているかについては正直言えば容易に区別できるとは限らない。日本側がいくら中国側からの飛来だと証拠を突きつけて迫っても、中国側がうそぶけば認めさせるのは容易ではないのだ(あるいは韓国・北朝鮮のものでは無いかなどと、いくらでも調査分析対象範囲を拡大することも可能だろう)。
ただ、現実にはここのところの中国全土の大気汚染の原因を地方政府当局者が「風がないから」などと言っているように、垂れ流しの状況は明かでもある。逆に言えばその言葉は自分たちさえ良ければ後は関係ないとも聞き取れる内容だ。

しかし、ある程度の予測は日本で既に行われている。九州大学がHPにて公表しているSPRINTARSというシステムによる大気汚染粒子予測(週間:http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/forecastj_movie_casu.html)を見れば、どれだけの汚染物質が中国から日本に飛来しているかがよくわかる。正直言えば、これを見る限り日本海側だから危険とか言うレベルではなく風向きにより日本全土が覆われてしまうことが一目瞭然だ。その上で、微粒子予測が地域ごとに為されているので参考にできると思う(http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/forecastj.html)。
また、現状については環境省が公表している大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」(http://soramame.taiki.go.jp/Index.php)が役に立つ。
自衛対策は情報をよく知ることで当面は対応できるとしても、根本的には中国からの飛来物質を抑え込むしかない。言い方が適切であるかは別として、中国から弱い毒ガス攻撃を受けているのと実質的には変わらないのだから。日本の場合も確かに福島で放射能をまき散らせたという負い目がない訳ではないが、自然の流れによりその拡散は太平洋側が主体である。現状では、太平洋戦争時の風船爆弾http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E8%88%B9%E7%88%86%E5%BC%BE)の如く日本は被害を一方的に被っている。もちろん、それは中国が地上で核実験をしていた時代からずっと続く伝統でもある。
その影響を明確に取り出して健康被害と結びつけることは容易ではないが、これは国際社会の中で中国を封じ込むための一つの大きなカードでもある。建前上は中国人民の健康被害を救済するでも何でも良いから、まずは中国の野放図な有害物質排出に網をかける必要があるだろう。その上で、日本の大気汚染対策をきちんとフィーを取って導入する。新幹線などと同じように、技術は容易に奪われることをきちんと意識しなければならない。

流れからすれば、まずは大気汚染という面では明らかに日本は被害者であることを国際社会で明言する。中国自身に問題があることを、中国は認めなくても世界の常識にするのだ。その上で、それを防止するための責任を中国に課すと共に、そのための技術は国際社会が認める適正な価格で日本側から導入供出すればよい。
これも一種の戦争であり、幸いなことに被害を受けているのは日本側であることから、正義は日本側にあると言えるのだから。何も、尖閣問題で言いようにしてやられ続ける必要性などありはしない。日本が正当に押し込めることができる分野で筋の通った問題提起をきちんとして、そのために必要な行為を適切な価格で提供するだけのことなのだ。
それが、日本国民の健康維持に寄与し、逆に中国の生産コスト上昇に繋がると共に日本の技術無しに維持できないようにしてしまえばいいのだから。もちろん中国は最大限抵抗する(技術供与せよと強気で出てくる)だろうが、彼らとて人民をいつまでも毒ガスのような公害下に置いておけるはずもない。共産党幹部の一部の子弟は海外に逃しているかも知れないが、全てが中国から離れている訳でもあるまい。
日本は武力では専守防衛に専念しなければならないが、それ以外の分野では自国に有利な戦いをきちんと進めていく権利を保有しているのだから。