Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

ゲーム感覚販売法

少し前に、マクドナルドのキャンペーンが、いろいろなところで物議を醸し出していた。
「ネットの空気が読めない」マクドナルド 60秒問題に続き“公式アプリ”でも不具合が連発(http://news.livedoor.com/article/detail/7313161/
新成人に対してマクドナルドがビックマックを1個無料 「ハシゴでビックマック増えてくw」「新成人の保険証借りれば良い」(http://getnews.jp/archives/283786
あくまで個人的な感想を言わせてもらえば「わりとどうでもいい」って感じではあるが、消費者の対応を見ていてふと思った。彼らは得になると思えば普段必要としないものまで手を出しているじゃないか。
考えてみれば、正月のデパートで福袋に駆け寄る様子などがいつも報道されるが、得だと思う心理はあらゆるところで利用されている。だとすれば、マクドナルドのそれも大して変わらない。たかだか数百円のことなのだが、お得感と言うよりはむしろちょっと得するイベントに参加する感覚にも感じられる。
デフレのこの時代、安いと言うこともそれなりには重要なのだが、それ以上に人々は単純な何かに飽きている。ネットの炎上などと比較するのはどうかと思わなくもないが、群集心理とも言える簡単なイベント参加の心理は根強い。安いだけでは長続きしないことは、ここにきての牛丼店の苦戦の状況を見ていても何となくは理解できる。安いというそのものに普遍的な価値があったのではなく、安いさが新鮮さとなっていた部分に成功の秘訣があった。だとすれば、安さのみを売りにしても堅調さは続かない。

もちろんそんなことは各種業界の人たちは百も承知だろうが、こうした商品販売に遊びがないように思うのはおかしいものだろうか。私はあまり行かないが、ドンキホーテは迷路のような通路をわざと作ることで客の滞留時間を長くして成功した。
もちろん、様々な店舗がいろいろなキャンペーンをやって客の獲得に精を出しているが、どうも実際の販売と結びつかないキャンペーンであることが多いように思う。そうではなくて、ものを買うという行為そのものに遊びを組み入れられないだろうかということだ。
わざわざ面倒なことをしてまで買ってはもらえないと直感的には思うのだが、この遊び感覚は決して馬鹿にできないのではないかと思うのだ。もちろん、それがマンネリ化すれば終わりなので常に新しい企画を考え続けなければならないという難しさもあるし、複雑な仕掛けを考えても理解してもらうのにも時間がかかりすぎるという面もある。

しかし、ネット時代であるからこその口コミ利用法を想定すれば、やはり如何に話題を作りそこで楽しんでもらえるかを考えても良いのではないか。
携帯電話が他の支出を圧迫したという話もよく聞くが、逆に言えばそれを扱う価値をそこに見出していると言うことでもある。アイスクリームのピノが星形のものを僅かに混ぜたり、ガリガリ君に当たりがあるように、むしろそれをもっと発展させた楽しめる販売法は生み出せないのだろうか。
マクドナルドのキャンペーン騒動を見ていて、ふとそんなことを考えてしまった。