Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

いつまでもモラトリアムではいられない

衆議院選挙も近づいているが、マスコミを含めて各党の自民党非難のボルテージが上がってきた。まあこれは最初から予想されていたことだし、今更取り立てて騒ぐようなものではないだろうが、ただ泡沫政党のそれならいざしれず現与党の民主党のそれは、いただけないというかむしろ侘びしさすら感じられる。
本来政権与党は国の政策を引き受ける主体であり、内閣と党の一体化を叫んでいた民主党はさらにその体制を強固に固めようとしていたはずである。正しい政策を打ち、その結果が反映されていたとすれば国民はそれを見て感じるところがあっただろうし、実績を誇ることが出来る唯一の存在なのだ。
それにも関わらず、自らの実績をまともに語ることも出来ない。ジミンガーは政権を取ったときからのことではあるが、3年以上を経て今もそれに頼るとは情けない。

仮免と言ったのは菅元総理であり、国というものがわからなかったのは鳩山元総理であるが、こうしたモラトリアム(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0)には期限がある。若者もいつかは大人になり夢を語るのみでは相手にされなくなるものだ。政党も、夢だけではいつまでもいられない。一時の風は夢により起こせるが、それを継続的にするためには次々と風を起こし続けるか、あるいは明確な実績を残すことが必要だ。
可能性という甘い果実の幻想の賞味期限は過ぎたのである。それにも関わらず、未だに可能性しか語ることが出来ないとすればそこに見いだせる新しい夢は存在しない。本当に為すべき事は、失敗を成功に結びつける失敗学(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E6%95%97%E5%AD%A6)の導入ではないか。
失敗を言葉の上で認めるのは誰でも容易に出来るが、それを次の成功に結びつけるためには果断な努力が必要である。今の民主党にはそれが全く見えない。自民党の負債を持ち出し、野党の政策にクレームを付ける。そこに、どのような失敗を生かす仕組みが存在しているのであろう。
ここ数日のマスコミ報道を見ていると、結局のところ本質において失敗を認められないモラトリアムを未だに続けているように見えるのである。

若さ故のそれは一定期間は許される。しかし、本来プロであるべき国会議員がまるで素人のようにそれを繰り返す様を見て、誰がいつまでも我慢し続けられるというのか。
民主党がすべきことは、地べたを這いつくばって自分たちの謳ってきた夢がどれだけ儚いものであったかを実感すべきなのだと思う。それは辛く苦しいことではあるが、それなしにおそらくモラトリアムからは抜け出せない。
仮にマスコミが民主党を応援したいのであればそれもいいだろう。ただ、甘やかすだけでは真の力は育たない。そのことには深く留意すべきだと思う。