Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

民主党事務局の野望

ネットの一部では有名な話ではあるが、民主党の事務局は旧社会党の書記局に牛耳られていると言う話がある(http://www.youtube.com/watch?v=ILGa0Bkt8p4&feature=channel)。野田政権になって若干変わった感じはあるが、それでも根本的に変化した訳ではないだろう。上記のビデオ内容の書き出しを一部抜粋する。

上杉:民主党が象徴的なのは、本当に、乗っ取るのがうまいな、と。
僕は秘書時代に、96年の結党の時の、旧民主党の時に、
(鳩山兄弟と、菅さんと仙谷さんと、横路さんなんですけど)
そのときに、議員は結構、さきがけとか日本新党とか、モザイクなんです。
ところが党職員が、社会党の書記局ばっかりなんですよ、これが見事に。
それがもうほんと、九割位。
で、しかもいつのまにか完全に、ポジションいいとこ全部、取っちゃったんですよ。
その後、98年の合併、新民主党ですね。
そして、2003年の民由合併、そこまで権力闘争の中で
社民党の、当時の書記局上がりの事務方、そして政調も含めて、
完全に牛耳ってるのは、いまだ薄まったけど続いている。
これはある意味、振り返ってみるとすごい見事だなあ、と。
(中略)
上杉:公人だから名前出していいと思うんですけど、
96年の合併から、この十五年間、鳩山さん、菅さん、小沢さんとか、
前原さん岡田さんとか、民主党は代表がいっぱい変わってるんですよ。
唯一、変わってないのが、事実上のトップである平塚さんという事務の方。
前は次長…、事務局次長でいる時間が長いんですね、ずっと。
でも、一貫して絶対的な権限があって いまだにまだある。
そうすると、平塚さんの個人政党かなと 個人的には思う。

この点については、産経新聞記者の阿比留瑠比さんが既に書いている(かくも“社会党的”害毒に満ちた菅政権:http://shuchi.php.co.jp/article/852)。2010年の記事ではあるが、その後にこうした事情が大手メディアを通じて報道されたという記憶はないし、ネット上の検索でも出てこない。
民主党も、議員の面々だけをみれば左右それなりに数が均衡している。一部の議員を除けば実力がないため結局経済政策的には自民劣化版に終わり、その他の政策は事務局の思惑通りの形で進められているようにも見える。
もっとも、民主党内の保守勢力はそれなりに抵抗しているようではある。ただ、マスコミがこうした方向性に親和的であることもあり、民主党保守勢力の声は響かない。加えて、発信能力の高い保守勢力が少ないこともあるだろう。

それでも、こうした民主党事務局方の野望も民主党全体の支持率低下と共に潰え始めている。すでにレームダック化した民主党政権は国民の支持を失い、解散を一度口にした野田総理は立ちいかなくなっているのも事実だ。輿石幹事長は、事務方と同じようにギリギリまで解散を引き延ばす方針のようだが、総理の専権事項であるが故に恫喝以外の何もできるものでは無い。
ひょとして、野田総理の残すかもしれない最高の功績はこの事務局の力が削がれるように早期解散をする(かもしれない)事なのではないだろうか。
ただ、一度権力を握ったこうした事務方は離散しても権力の匂いに近づいていく。国の迷走に手を貸した彼らが今後広がるであろう第三極の事務方に納まらないことを願いたいものだ。