Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

事実は小説より奇なり

こんな報道があった。
「姉の顔だが、姉じゃない!」 姉に暴行、死なせた容疑の無職男逮捕 京都(http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120822/waf12082212100017-n1.htm

これって古くはマグマ大使の人間もどきから、その他にも多くのSF小説や漫画などのテーマとなってきたパターンである。事件の詳細はわからないが、最初に疑われるのは本人の精神障害であり次に想像できるのは姉の精神的な変化に伴う人格変化であろう。昔から程度の差こそあれ「人が変わったように」なんて言葉もあるのだから、程度にもよるが必ずしも珍しいことではない。
ただ一方で古来不思議なことも数々伝承されており、狐憑きや犬神憑きなど憑きものにまつわるものは近年でも絶えることはない。特に祈祷などの宗教行為により悪魔や憑きものを落とすという行為は、霊能関係を含めて今でも多く存在する。私自身こうした現象の全てを否定できるとは思わないが、同時に科学的に説明ができるものが少なく無いとも感じている。
確かに科学により説明できないものは存在するが、しかし大部分はそれにより説明できる。仮に98%が科学により説明できるが、残りの2%が説明が難しいとした時その想像を膨らませてしまうのが人間の良いところでもあり同時に悪いところでもある。

考えてみれば、まるで別人のような突然の変化はなぜ発生するのであろうか。それを生じさせる一つの要因としては宗教や信仰がある。宗教に嵌る(これは必ずしも悪い胃意味に限定しない)ことにより怠惰だった人間が見違えるように変わることもあるし、全く逆にそれまで常識人だった人が非常識な振る舞いをするようになる場合もある。
結局のところ精神的な依存関係が良好であれば上手くいき、それが意図的かどうかは別にしてもいびつであれば、少し前にお茶の間を賑わせた某タレントのような状況に陥ることもあるだろう。

もう一つは、寄生虫や原虫などの影響が疑われるというものもある。まだ、人間の性格にどれだけの影響を与えているのかを示す統計的データなどはないようだが、これも一つ可能性としては捨てきれない。例えば、トキソプラズマ症(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%BD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%BA%E3%83%9E%E7%97%87)は世界中の1/3が感染されていると言われるほどポピュラーな原虫感染であり、成人の場合には軽い風邪程度の症状しか出ないことが一般的であるとされる。一般にペットのネコや食肉から感染するケースが多い。トキソプラズマ症に罹患すると、性格変化が生じるという研究報告は少なくない。傾向としては、男性は反社会的な行動を取りやすくなり、女性は社交的になると言われており、あるいは統合失調症になりやすくなるともされている。
トキソプラズマ症以外にも、人間以外の動物や昆虫ではあるが行動を全く変化させてしまう寄生虫や菌類は少なからず存在する。有名なところでは、ハリガネムシhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%83%A0%E3%82%B7)はバッタやカマキリ等の昆虫に寄生すると成長後に水中に飛び込ませて溺死させる。また、カタツムリに寄生するロイコクロリディウムという吸虫は、カタツムリが鳥に食べられやすくするために明るいところに出て行くようになる(http://www.youtube.com/watch?v=dXuSMluFCjI&feature=fvwp&NR=1)。アリに寄生してゾンビ化させる菌類も報告されている(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011030401&expand#title)。

人間の脳に寄生するものもいくつか報告されている(熱帯熱マラリア原虫、広東住血線虫幼虫、日本住血吸虫卵、有コウ嚢虫、単包虫や多包虫、先天性トキソプラズマ、イヌ回虫幼虫、ネコ回虫幼虫、糞線虫、ウェステルマン肺吸虫迷入、赤痢アメーバ、フォーラーネグリア、カルバートソンアメーバ)が、てんかん症状を引き起こしたり精神錯乱を生じさせるケースがあることはわかっているが、ひょとすれば未知の寄生虫が存在して人間の性格や行動を支配していないとは限らない。
もちろん、現状でそれが見つかっているわけではないのであくまで可能性という範疇における話である。