Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

身代わり商売

従軍慰安婦やら、独島(竹島)に関する主張だとか、国際的な日本海呼称に関する運動など、TVのみではあまり判らないかもしれないが、ネットで情報に接すれば嫌でもよく目に入ってくる(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0531&f=national_0531_025.shtml
)。正直、国民的な運動のように感じられなくもないのだが、私の知己の韓国人などと接していてもそんな議論になることすらない。少し前に会議で韓国を訪れた時にもそんな様子は全く感じられない。酒の席でもそんな議論にもならない。
では、いったい誰がそんな反日的な活動を行っているのか。実は政府も結構応援しているのであろうが、その程度でつけ込まれるとすれば日本政府の対応がお粗末すぎると言うこと。もちろん底流としての反日はあるだろうがあまりにも沸点が低いし、その上で戦略がなっていない。アメリカに作った慰安婦像なども、片田舎にあるそれを宣伝し続けなければすぐに忘れられてしまう。だから、この不出来な戦略は一体何なのだろうと常々疑問に思っていた。
その疑問に対して、偶然シンシアリーさんのブログ(http://ameblo.jp/sincerelee/)を見て合点がいった(関連エントリはこれ:http://ameblo.jp/sincerelee/entry-11264488915.html)。
内容はこうである(以下、一部引用)。

  • 今日、「独島歌手」だの「寄付天使」だのと韓国では英雄扱いされている、しかし代表曲が何なのか全然わからない謎の歌手、キム・ジャンフン氏がまたニューヨーク・タイムズ慰安婦関連の全面広告を載せました。
  • 1971年、ドイツのブランと総理がポーランド戦没者追悼碑の前に跪いて謝罪する写真を載せ、「日本政府は性奴隷(慰安婦)などWW2問題に謝罪していない」という内容です。
  • ( 中 略 )
  • 実はこのキム・ジャンフン氏、つい先週に「借金が7億ウォンもある」と自ら明かして、それもまたニュースになったことがあります。
  • 慰安婦や東海関連はもちろん、貧しい人たちに寄付のし過ぎで借金が増えた。ナイトクラブで公演しまわることになった。よろしくたのむ。・・・そういう内容でした。

いやはや、要するに借金をして反日の行動をしていると言うことである。ただ、7億ウォンとは馬鹿にならない金額である(100ウォンが6.68円として4700万円弱)。体感イメージでは1億円程度の借金があるのと同じくらいであろうか。まあ、そこそこ有名な歌手ならその程度の借金はできるのかもしれない。
ただ意外と浪費しているという話も出ており、自らの信じる正義のためなら借金を踏み倒すことも厭わない強い信念すら感じる。

ちょっとマテ、この手の話は他にも良くあるじゃないか。そう、シーシェパードである。
今や日本の天敵にもなったような彼らであるが、彼らの収益は寄付である。欧米のセレブに動物愛護を訴えながらその費用で多大の収入を稼ぐ。黒字である分シーシェパードの方が上手とも言えるのだが、寄付をもらった(あるいは借金をさせてくれた)相手に対する誠意も上なのかも知れない。
どちらにしても一種のビジネスモデルなのだ。忙しい金持ちの身代わりとなって、自らの心情に沿った活動を行うと言うそれである。当然のことながらそこそこ成功した(ように見える)ビジネスモデルには近づいてくるものも真似るものも出てくる(http://ameblo.jp/sincerelee/entry-11259965858.html)。
彼らは人のお金を使って、自らを英雄的かつ自己犠牲的な状況におくことで悦に入っているのである。その標的とされる側からすればたまったものではないのだが、次々と似たチャレンジを持ち出されるのは現状ではまだこうした運動でお金を集めることができていると言う証拠でもあろう。逆に言えば、いくら続けてもらちがあかなければいずれは資金が切れる。そして、その時にこうした活動家達はどのように出資者達に釈明するのであろうか。

この面倒なビジネスモデルをどのように潰えさせるかともし仮に考えたならば、彼らの行動がビジネスや虚栄心優先であることを証明すればよい。もちろんそう容易に見つかるかどうかは判らないが、人間そこまで物事を貫き通せる人は多くない。
もっとも、私が思うには破綻確実のネズミ講的なビジネスモデルだとも思うので、時間が来れば倒れるであろう。強いて言えば次の同じ様なものが人が変わって何度でも出てくるであろうというのがシャクでもある。だからと言って、謝罪して相手に合わせたとしてもそれで治まることなどあり得ない。繰り返しになるが、それは彼らのビジネスが終焉を迎えることを意味するのだ。もちろんそこには善意の愛国者を幾人も巻き込んでいるだろう。それでもビジネスはビジネスである。

このビジネスが厄介なのは、法ではなく情に訴えていること。歴史的事実など一切考慮しないこと。まずくなればすぐに逃げてしまうこと。要するにゲリラ戦法なのだ。相手に少しのダメージを与えられれば、継続活動するための資金を手に入れることができる。もっとも、こっぴどくやられればそのまま敗走して新たな機会を待つのである。
対抗手段としては、これが商売なのだという認識を広めるしか有効な方法を思いつかない。それに反発してくれれば結局金銭的に困窮するしかないのだが、気にせずに活動を続けられれば正直打つ手がなさそうである。

「厄介なビジネスというものはいつの時代にも存在する。」