Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

エアコンよりTVを消そう運動

既に、エアコンよりもTVの方が消費電力が大きくなる可能性があることについて知っている人も多いと思う。イメージとしてはエアコンの方が消費電力が大きいとの固定観念が強くあるのだが、現実にはそれは間違いといって良い。もちろん年代物のエアコンであるならば、最新型の液晶TVと比べれば高くなるだろうが、冷静に評価するとすれば同じような年代のもので比較する方が妥当である。
この比較例について次のような記事があった(デジタルマガジン「節電にはエアコンを切るよりテレビを切った方が1.69倍効果的」:http://digimaga.net/2011/07/tv-is-an-enemy-of-power-saving)。この記事に対しては定格出力を見た時に、エアコンの出力が低く想定しすぎているとの意見もあったようだが、エアコンは常にフル稼働するわけではない。涼しくなれば止めることもある。あくまで平均値としての想定だと考えればうなずけなくはない(エアコンの消費電力は電源を入れて17分後にはたったの80Wになる:http://digimaga.net/2011/07/lets-switch-off-tv)。

一般的に良く用いられている32-40型の液晶TVの消費電力はおおよそ200W/hと言われている。また、多くの場合にはHDレコーダーなどが同時に起動されていることも多い。HDレコーダーの消費電力が録画時には約80W/hになり、電源がONであれば録画をしていなくともそのおよそ半分程度の消費電力があると考えると、これは決して少なくない消費電力であろう。
ちなみに、私が普段使用している17inchのノートパソコンの消費電力は、内部計測計によればおよそ20〜35W/h程度であった。これは蛍光灯1本の消費電力と変わらない。

原発の停止により電力不足の懸念が高まっている。私個人の考えとしては何が何でも原発廃止とは考えていないので、無駄な努力を日本という国家に課しているなと思うのだが、それでも民意の結果それが行われているとすれば反対するものでもない。その結果不都合が生じたとしても、それは自身の選択なのだから。
ただ、できることならイデオロギーを抜いた理性的な議論をして欲しいものである。もっとも、そのイデオロギーの露出を影ながら支えているのは野次馬根性的なマスコミの報道でもあり、本来マスコミこそが冷静な議論を呼びかけるべきだと思うだけに、なんともいたたまれない。
さて、だからせめて国民は節電をする必要があるのであれば、冷静で理知的な判断をすべきだと思うのだ。冷房の停止は、場合によっては生命の危険を引き起こす。少しの間我慢しろとは言っても、身体の弱った人や乳幼児にはそれが問題となることもあろう。実際、熱中症で亡くなる方は舞トス少なくない数なのである。私は生命の危険に繋がるものよりは、その危険性がないもので節電をする方が望ましいと素直に考えたい。

要するに、TVを消そう。もちろん、それが唯一の娯楽という方々もいるのだが、できればそういう人たちが集まって、一カ所で冷房とTVを享受しても良い。TVは一人で見るよりも複数で見た方が楽しいだろうし、かえって別の話も咲くだろう。人とのつながりを見直す良い機会にも成るかも知れない。あるいは新たな知己を見出すこともできるであろう。
もちろん、そんな状態がずっと続けば息苦しさも生じるであろうが、厳しい時期は数えるほどであったはずである。昼間の4〜5時間でかつ、2ヶ月ほどの間ではないか。
もちろん、外に出て打ち水などで涼をとっても良い。

とは言え、個人個人が自発的にそれをできるほど今の都市では人付き合いは強くない。だからこそ、運動にすればいいのだと思う。政府や自治体が音頭を取って、NPO等を通じて夏を乗り切るための国民的運動にすればいいのである。賛同される人はいるだろうか。
人はTVを見なくとも別に死にはしない。そのことだけは間違いなく言える。

「TVを2台付けっぱなしにすると言うことは、500Wの電子レンジを廻し続けるのとほとんど変わらない。」