Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

サッカーW杯予選、タジキスタン戦を見て

8対0という、アジア1次予選でも滅多に見られない大差となったために、贅沢な話ではあるが内容ではなく結果のみが得たものであったと感じさせられた。もちろん得失点差で圧倒的優位に立ったのは事実であるが、もともとアジア3次予選程度で得失点差が問題となるような戦いをしてはならない立場に日本は既におり、気持ちが軽くなったという程度の効果であったと思う。

それでも、試合の中で数多くの得点バリエーションを試せたという意味では、多少なりとも得たものはあった。ただ、中村憲剛が本田の代役として機能したとの声も大きいが、私は必ずしもそれが言えるかどうかはわからないと思っている。
なぜなら、厳しい試合ではなかったから。
その前の練習試合であるベトナム戦では、厳しくないにも関わらず圧倒できなかったという事実があるので、メンタル面では意味がないとは思わない。本田が抜けた後、今ひとつ得点の香りがしなくなっていたのを覆せた。
しかし、タジキスタンは信じられないほどチェックが緩かった。ほとんどマンツーマンでのチェックをされていない。だから、日本は楽にパス回しができたのだ。
これが、マンツーマンでの厳しいチェックを受けた場合には、それが全くできなくなってしまう。
パスで翻弄しきれない。そこが、今の日本代表攻略法の一つである。
日本代表としては、そうした負荷のない状態だったのが幸いして大量得点差で勝てた。

本田の穴は、そのようなチェックの厳しい状態であっても前線でボールキープできる、その存在を代われる者がいるのか?という問題である。実を言えば、それは全くわからなかった。わかったのはゾーンディフェンスでゴール前を固めて守る相手には、フォワードにハーフナーを置くことで大きく崩せるのだと言うことがわかったこと。
これは小さくない。これまで高さというオプションをほとんど生かせなかった日本代表としては、このオプションを得たことは大きい。

とりあえず、パスを自由に回させてくれる相手に対しては日本は力を発揮する。
それは、8月の韓国戦でも3対0と大きく勝てたことでもよくわかる。あのときの韓国は、本当に韓国かと思うほどにチェックの厳しさがなかった。
本当の日本の試練は、フィジカルで押されたときにどれだけ点を取れるのかなのである。

さて、全体的に話と言えば。。。
まず、4-2-3-1のシステムを考えたときのFWだが、CFとしては
ハーフナー、李、前田、森本などが考えられる。
私個人としては、W杯の時のようにCFに本田を持ってくることもオプションとしてあっても良いと思うのだが、現状ではその選択をする可能性は低そうだ。
身体の強さでは森本が、高さではハーフナーが特徴を有している。
ここのところ李がよく用いられているが、前田が怪我などで招集されていないという面もあるように思う。
最近では指宿がスペイン3部で活躍しているようである。2m近い身長のため出てくるようであれば面白いが、現状ではまだまだである。

両サイドは、岡崎、香川、清武、が現在の中心メンバーか。
香川はトップ下もできるが、ボールキープには難があるのでCFにキープ力の高い選手が入る場合にはそのオプションもありそうだ。乾、松井、原口、宇佐見、宮市などの選択もあるが、これは今後の活躍などを見ながらの選択となりそうだ。

トップ下は、現状では本田が完全にポジションを固めている。怪我の時の代役としては中村というスタイルが当面は定着するのではないかと思う。柏木、家長などは現状では力不足という感じも見える。

ボランチは、現状では遠藤、長谷部の鉄壁の2人でほぼ決定だろう。
ただ、私はここが日本の最大のウイークポイントでもあると思っている。
なぜなら、彼らの代役となれる選手がいないからである。
細貝、阿部、あるいは今野などが代役となるが、特に遠藤の代役の発掘というかそれが目下の最大の問題である。
私としては、ここに家長を持ってくることをもう少し考えても良いのではないかと思っている。
地蔵と呼ばれ走らないことが問題とされている家長であるが、少なくとも攻撃センスには非凡なものもある。

サイドバックは、日本は非常に豊富だと思う。もちろん、それでもまだまだ伸びて貰わなければならないが、長友、内田、駒野の3人で回すスタイルは当面続きそうだ。控えとしても、伊野波、槙野、酒井、安田など人材は多い。

センターバックがもう一つの日本の弱点である。
現状では今野と吉田の二人が使われ続けている。ただ、時期をみてトゥリオを復帰させるのも一考だろう。
栗原、伊野波ももう少し代表のCBを経験しておいた方がいいと思うのだが。

ゴールキーパーは、現状川島が占めるのはある意味実績を見ても当然である。
一時の川口、楢崎のダブルキーパーという状況の方が、代表チームとしては珍しい状況なので仕方あるまい。

あと、ザッケローニが進めている3-4-3のシステムは現状ではまだ機能していない。
今以上に攻撃的なシステムだと個人的には感じているが、現状でサイドバックが一人上がった状態だと考えればそれほど違和感があるものでもない。
ただ、結果的にサイドハーフがDFレベルまで下がって、実質的に5バック的になってしまっているのが現状での問題だと思う。攻撃的に行くはずが、気がついたら守備的になっている。
これも、当初に書いたようにマンツーマンで厳しくチェックに来る相手には、パスが回らないのでおそらく機能しない。逆に言えば、タジキスタン戦はおそらく3-4-3であってもおそらく機能したであろう。
だから、相手の守備状況に応じて使い分けることになるのだと思う。

と、たまの大勝に気分を良くして考えてみた。