Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

子供が純真無垢なのが幻想であるように。。。

子供は純真無垢な存在であり、そのままのびのびと成長させることがもっと正しいなどというファンタジー的な言論は各所で見られる。
もちろん生まれたばかりの子供は可愛いし、無垢が故に悪さも許せてしまう。

しかし、社会生活とは一定の規律の中に存在し、そのルールは人間の本能には刻まれていない。それ故、子供にはしつけが必要である。しつけのない子供は、野生動物と変わりない。いや、知恵がある分手に負えない。
もちろん自律的にルールを学ぶ子供もいるだろう。しかし、それも子供の性格は別にして、ルールに従った方が有利だと判断した上での行動である。

では、大人はどうなのか?
もちろん、大人にもルールを理解した上で悪さを働く人はいくらでもいる。
それは良いことではないが、一定のそういう人がいることは社会の健全さを保つ上で私は必要だと思う。性悪説に立ちきるわけではないが、社会とは悪も含んで存在するものであるのだ。
純水には魚は住めない。その上で、悪は確実かつ明確に処断されるシステムが重要なのである。

それ故、社会生活では大人が子供を指導する。

ここからが本題だが、
これと同じようなことがいくつか言える。
一般市民と専門家の例を考えよう。

基本的には専門家は、上記の大人の役割と考える。一方で、一般市民は素人であり上記の子供になる。一般市民を教育せよと言うのではない。
社会を上手く回すためには、専門家の活用は必須なのである。素人がいくら高い理想を掲げて何かに取り組もうとしても、物事が上手く回る道理はない。悪徳専門家を排除するという意味では一時的にメリットがあるかも知れない。しかし、それはあくまでそれだけ。
素人は倫理的に高い意識を有していたとしても、専門知識の不足により適切な判断が出来るとは限らないのだ。

何故このような話を書いているか。
理由は想像できる人もいるだろう。
そう、未だに解決の道筋が見えない普天間問題である。

鳩山元総理は、さんざん最低でも県外などと煽った末に、米軍海兵隊の重要性がわかったために、、、、なんて話をしていた。
では、これまで米軍海兵隊が何のために沖縄にいると思っていたのだろうか?
単に沖縄が都合が良かっただけとでも思っていたのか?

確かに、鳩山元総理は駐留無き安保の思想の持ち主であった。
しかし、駐留無き=日本の自衛能力UPが必要という大前提は理解していたのかは疑問である。結果的に、日本の自衛隊を軍隊として明確にして、その上で防衛費などの増強を図る(少なくとも今の3〜5倍)ことを導きかねないと理解しているのだろうか?

これこそ、鳩山政権が子供政権と呼ばれた真骨頂であったと思う。
そして、菅政権で元の自民党案に戻されたものの、一度崩された信用は容易にも戻れない。

あるいは、憲法9条が日本を守ってくれるなんて本気で考えているわけではあるまい。
9条の理念が重要なことはわかる。
それを保っている日本を誇っても良い。
しかし、9条が日本を守るなどと言う幻想には私は組みしない。

普天間などで日米関係がガタガタすることを見て、台湾や韓国が何を始めているか知っているだろう。
台湾は、中国本土に向けたミサイル配備に動き、韓国では盧武鉉時代にトチ狂って米軍を追い出そうとしたのを必死に巻き戻そうとしている。在韓米軍を留めようとしているのだ。
それは、すべて在日米軍が弱体化する可能性があるとの見方による。

すなわち、東アジアの軍事バランスを崩して、現状の平和を不安定化させているのである。
ところが、鳩山元総理はアメリカが日本の事情を理解できていないというような認識をしている。

普天間周辺の安全を図らなければならないということは私にも理解できる。
しかし、それを言うならば基地周辺にはもともとあまり人が住んでいなかった。基地が出来たあとに多くの人が近隣に住むようになったのである。それは、基地関係の仕事があるからである。
その事実もはっきりさせなければならない。

私は、基地移設よりは地域振興策も考えて、住民異動を新たな土地に行う方がいいのではないかと思う。それが難しいとの声をよく聞く。
住んでいた場所から離れたく無いとも聞く。
しかし、普天間から米軍が出て行っても、その後には自衛隊が入るという案が有力だ。米軍なら駄目で自衛隊なら良いのだろうか?

なぜ、新しい街を作る計画が一向に出てこないのか。それが不思議で仕方がない。

普天間問題が解決しない方が都合の良い人たちが存在するのかもしれない。」