Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

外国人地方参政権について

これは、民主党だけでなく、共産党社民党も、そして公明党も推進している。
更に言えば、自民党にも賛成している人がいる。
そのため、現在強制的に採決すれば通るだろうと考えられている。
一応、現状では国民新党が反対しているので、連立与党としてはすぐに動けるという状態ではない。仮に参議院民主党公明党と協力体制を築けば、そのまま法案成立を狙って来る可能性もある。現状においては野田首相が反対の意見を有しているらしいが、果たして大きなうねりを抑えきれるだろうか。

私個人の考えは、現時点では反対。
将来的には、当然考えて行くべきものだと思っている。
しかし、今押し通さなければならないことではない。

また、最高裁判所違憲判決が出ている。ただし、傍論(参考意見)として一部には地方参政権は認めても良いかもしれない(という意見もある)と発表された。
これを間違ってはならないが、基本的には違憲なのである。
さらには、地方参政権を認めても良いと考えてきた憲法学者が、その後誤りを認めたとの話もある。・・・とすれば、外国人地方参政権を推進できる理由はどこにもない。

まず、外国人にも参政権を認めるためには大きな前提が必要である。
それは、日本人と日本に住む外国人の意識が同じ方向を向いているという前提だ。
お互いを認め、共に生活していけるという単純なことである。
しかし、現実にはなかなかそれが難しい。
外国人コミュニティができた地域では、そのコミュニティは閉鎖的になりがちである。
よって、そのコミュニティと日本人社会の融和が前提条件となる。

建前上は、垣根などない方がよい。私もそう思う。
しかし、現実には思想信条や生活様式の異なり、あるいは使用言語の違いなどにより、接点はあるが融和とはとても言えるものではない。

でも、日本人行政組織による外国人庇護だけではフォローできない部分の意見を反映させるという意味では、外国人の代表が議会で意見を陳述できる場所は必要であると私も思う。それは、外国人コミュニティを日本人社会と融合させる上では、意味を持つと考えるためである。

結局、卵が先か、鶏が先かの話になってしまうのだが、ここで問題となるのは現状ある日本人社会の不安だ。今でもネットでまことしやかに囁かれるのは、中国移民が大挙して地方を乗っ取ってしまうのではないかなどという話である。
正直なところを言えば、その心配はやや行き過ぎではないかと思わなくはない。しかし、全く無視すべき問題でもない。事の大小はともかく、外国人コミュニティの意見を聞くと言うことは、日本人の既得権益を手放す話になる可能性はあるのだから。

要するに必要なことは、過大な権力が特定の外力人勢力に渡ってしまう危険性を排除できればいいと言うことではないだろうか?そういう意味では、子供手当の場合と同様に今の導入は個人的には稚拙ではないかと思う所以である。
私が進めるべきと思うのは、道州制の導入により、選挙で選ばれる人の範囲を大きく取って、少数の外国人勢力が絶対的な地位を得られないことを担保すれば、それで事足りるのではないかと思う。
道州制の方法論もいろいろとあるだろうが、道州政府に議会を設置し、それ以外は行政を司る基礎自治体とするパターンである。この場合、基礎自治体には選挙はないと仮定しての話である。
国政には、やはり無理であろう。
道州レベルであれば、一部の外国人が特定の影響力を過大に持つ可能性は大きく減じる。
そして、国政レベルの決定権は持たせることはない。

まあ、その程度のことは国会議員であれば考えていると思うが、そういう議論無しに、単純に外国人地方参政権がどうなのかと聞かれるならば、最初にも書いたとおり私は現状では反対である。

「どんな素晴らしい理念であっても、時機を逸すれば逆効果となる。夢と現実を混同させるとその時機を見誤る。」