Alternative Issue

個人的な思考実験の、更に下書き的な場所です。 自分自身で消化し切れていないことも書いています。 組織や職業上の立場を反映したものでは一切ありません。

独自性・実行性を捨てた内閣

野田内閣の全容が決定した。
まず抱いた素直な感想は、、、露骨な派閥均衡人事。
加えて、軽量級内閣、、、と言ったイメージであろうか。

若返りを図ったとも言えなくはないが、閣僚に専門性に欠ける人事が非常に多い。ポストの適格性があまり考慮されていないという意味で、実行性を捨てている。

もう少し能力に見合った閣僚ポストを配置すると思っていただけに、今回の組閣を見ていて個人的には失望した。
いや、正確には民主党政権自体には期待を抱いていない。おそらく、野田総理以外が総理であっても大きなことは出来ないであろう。ただ、実直なというよりは非常に危うい内閣を作ってしまったな、、という気持ちがまず湧き起こった。
党内融和に対する極端な配慮は、解散総選挙を絶対にしないためには、野党対策よりも与党内対策をまずしなければいけないということでもある。

衆議院過半数を維持している以上、与党内に亀裂が入らなければ野党にどれだけ追求されようと解散する必要はない。問題は、この6月2日にもあったような与党内からの造反だ。だから、それは決して起こさせないという意思の下での組閣なのだろう。

ただ、日本という国は世界的な動乱の中に存在している。与党内の融和を優先することにより国の舵取りが危うくなってもいいと思っているのであろうか?

そもそも代表戦前に大連立を打ち上げ、101回のプロポーズをするとまで言った割には、そのことに対する反映は為されているようには見えない。穿った考え方だが、重要ポストについては今度の野党との政策協議を見据えて、一部のポストを野党に渡すことを考えてわざと軽量級にしたのではないかとさえ思えている(実際にはそんなことはないだろうが)。

あくまで個人的な予想であるのだが、野田総理は実質的には大連立には動かないだろうと考えている。それは、早期の解散総選挙含みの連立であり、今の状況では受け入れられないからであろう。
だとすれば何を目指すか?
可能性としては公明党との連携。
小沢氏の復権、輿石幹事長は、そのための布石とも見る。
別に自民党と連携する必要はない。
公明党さえ取り込めれば、ねじれ解消も手に入れることが出来る。

2年後まで衆議院選挙がないとして、公明党はその秋波になびくのか?これは正直わからない。しかし、そのための党内人事及び組閣だと考えれば、与党内分裂を避けて無駄に野党を刺激しないことは一つの手であるとも言える。
そういえば、今回の閣僚の大部分が外国人地方参政権の推進派でもある。そこで手をつなぐのか?

まだまだ動きはわからないが、単純な組閣下手なのか?それとも何らかの策を弄しているのか?
評価が難しい。

「この組閣により誰が利益を受けるのか?基本的にはその相手に対するラブコールだろう。」